2003年8月8日、今年もパソコンの将棋ソフトでトップを走る「東大将棋」に新バージョンが発売された。そこで、ここでは、その東大将棋6を使っていろいろと検証した結果を載せていこうと思う。
なお、検討対象としたレベルは、特に断りのない限り、マスター(最強レベル)で、コンピュータは、Pentium4の1.6G、メモリ512M、WinXPで、検証中は他のソフトは起動していない(一部常駐ソフトを除く)(コンピュータ速度は、9750)。また、文中の段位は、全て平均的な将棋センターのもの。将棋倶楽部24の段位は辛いため、もう少し下がると考えて下さい。
---目次---(東大5で検証した項目とほぼ同じ)
(1)対局した私の感想
(2)他の将棋ソフトとの対戦(対東大将棋5、激指2)
(3)下位レベルを検証
(4)詰将棋解答機能
(5)東大5との違い
(6)その他の機能
(7)結論
参考:MYCOM GAME WEB/将棋ソフトのページ(販売先のAmazon)/アップデートモジュール(販売後のバグ等を修正)
(1)対局した私の感想
今回の東大将棋6、「選手権優勝、プロに二枚落ちで完勝」が売り文句だ。前回の東大5に比べさらに強くなったのだろうか?と期待しながら、まず第1局目を指して見る。東大5の終盤力を知っているだけに、慎重に駒組みを続けていると、中盤で、無用な手待ちを繰り返す。この辺りは、東大5と変わっていないようだ。
中盤の作戦勝ちから読みを入れて仕掛けた。結局、そのまま押し切ってしまったため、正直1局目では、東大5との差が良く分からなかった。強くなったような気もするし、東大5と変わってないような気もするし・・・。
ところで、相手がコンピュータだと分かっていると、それなりに注意して指すことになる。つまり中盤がヘボく終盤が強いと言うことを知っているから、中盤に良く考えて、切れない攻めを行うことになる。しかし、もしコンピュータだと分かっていないで指したらどうなるだろうか?
仮に初めての人間が、入間将棋センターにやってきたとしよう。初めて来店した人には、棋力を確かめるために、私自身が指すことも良くあるのだが、この人間、実は中身が東大6だったらどうなるだろう?
まず、平手で、普通に定跡形を指してみる。序盤から中盤にかかるところまでは、なかなかよく知っているな、と思いつつ指しているが、中盤で、突然不可思議な意味のない手を指す。「こんなところで、そんな手損をしたり、妙な動きをすると言うことは、定跡通の初段くらいかな」と想像してしまう。
そして、「あまり強くなさそうだから、このくらいの攻めでどうだろう?」と、良く読みを入れないで、明らかに無理攻めの仕掛けを行う。もし、これが人間なら、この読みはそれほど外れていないで、この攻めが通ってしまうはずだ。序中盤より終盤の得意な初段と言うのは、経験上、10人に1人か2人くらいしかいないから。
ところが、ここからが強い。私の無理攻めを、ことごとく正確に受け、あっと言う間にこちらが劣勢に。「こんなに強かったのか」と改めて読みを入れて挽回しようとするが、時すでに遅く、そのまま寄せきられてしまう。
・・・・・とこんな感じになるのでは、と思う。
しかし、最初からソフトだと分かっていれば(本来はソフトであろうと人間であろうと無理攻めはいけないのだが)、序中盤で優位に立ち、その貯金をほとんど減らさずに終盤に入り、寄せきれる。
今のところ、まだソフトも、アマ五段の位置にまでは来ていないようだ。少々がっかりしたと同時に、ほんの少しホッとしたのも事実。
平手はあまり変わったように見えなかったので、駒落ちはどうだろう、と思い、駒落ちも試してみた。プロに二枚落ちで勝ったことを売りにしているため、駒落ちの強化を図ったのではないかと思ったのだ。
まず、定跡通りに指してみると、最初は下手のソフトも定跡通り2歩を突いて来るのだが、上手の僅かな手順前後でも、すぐにソフト側が定跡を外れることが多い。この指し方を見る限り、定跡もそれほど入っているとは思えない。結局、駒落ちも東大5とそれほど変わったとは感じられなかった。
と言っても、二枚落ちで勝てたのかと言うと、はっきり言って勝てない。すでに東大5でもそうだったのだが、5回以上指して、ソフトが中盤、かなりおかしな駒組みをした時に1回勝てるかどうかだ。これは東大6になっても同じだった。中盤まではあまりうまくないので、人間相手なら完全な上手ペースと言えるのだが、ソフトは、そこから容易に崩れない。
定跡から外れると、平手でも駒落ちでも、かなり効率の悪い手を中盤に指すことがあるので、これをなくすことが今後の課題となるのだろう。
さて、前回東大5を4.5段(よんてんごだん)と評価したが、今回も、何回か指した感じでは、今の所ほとんど同じ棋力と言う風に言っておきたいと思う。
(2)他の将棋ソフトとの対戦(対東大将棋5、激指2)
対戦は各々6局、全部で、12局行った。毎回言うように、本当はもっと多く組まなければ統計としては不十分なのだが、時間がかかるのでこれが限界だった(対局数を偶数にしたのは、先後同じだけ組みたかったから)。結果は、参考程度に見て、その内容を詳しく見て欲しいと思う。
東大将棋5は最強のマスター、激指2も最強の「四段」で対戦した。
第1ラウンドは、東大将棋6と東大将棋5の6対局(先後3局づつ)。
第2ラウンドは、東大将棋6と激指2の6対局(先後3局づつ)。
対局方法は、一台のコンピュータに対局ソフトを二つ起動させ、人間(私)が、コンピュータの指した手を、もう一方のソフトの人間側の指し手に入れてやるという方法である(先読み機能オフ)。
そして、その結果は次のようになった。
12局全ての棋譜は次のところにリンクしてあります。
◎対東大将棋5・激指2の棋譜
| 先手 | 東大将棋6 | 東大将棋5 | 戦型と手数 | |
| 第1局 | 東大5 | ● | ○ | 相居飛車から力戦87手 |
| 第2局 | 東大6 | ● | ○ | 相矢倉178手 |
| 第3局 | 東大5 | ○ | ● | 先手中飛車180手 |
| 第4局 | 東大6 | ○ | ● | 先手中飛車153手 |
| 第5局 | 東大5 | ● | ○ | 相矢倉73手 |
| 第6局 | 東大6 | ○ | ● | 乱戦97手 |
| 先手 | 東大将棋6 | 激指2(四段) | 戦型と手数 | |
| 第1局 | 激指2 | ● | ○ | 横歩取り103手 |
| 第2局 | 東大6 | ● | ○ | 相居飛車174手 |
| 第3局 | 激指2 | ○ | ● | 後手陽動振り飛車94手 |
| 第4局 | 東大6 | ○ | ● | 先手四間飛車89手 |
| 第5局 | 激指2 | ● | ○ | 相矢倉123手 |
| 第6局 | 東大6 | ○ | ● | 相居飛車113手 |
今回、偶然かもしれないが、すべて対戦が五分の星になった。中の棋譜を見てもらえば分かるように、内容も接戦だった。激指2との対戦で、勝ったものは、第3局、第4局のように序盤から優位になり、圧倒しているものもあるが、逆に第1局のように有利になっておきながら逆転されているものもあり、この辺りは、やや不満が残る。
また、東大5との第3局、せっかく穴熊に組み、作戦勝ちしておきながら、わざわざ手数をかけて穴熊からはいだし、矢倉に組み替えた時は、さすがに絶句した。
こういった、中盤での不可思議な疑問手がなくなれば、相当強くなると思うのだが。
(3)下位レベルを検証
下位レベルに関しては、表面上は東大5とほとんど変わらない。以下、東大5の検証で書いた文面をそのまま引用してみる。
『東大将棋5の下位レベル(通常対局)は、6段階に分かれている。
低い方から、よちよち(7〜6級)、ビギナー(5〜4級)、初級(3〜2級)、中級(1級〜初段)、上級(二〜三段)、マスター(四〜五段)、という具合になっており、カッコに書いた段級が東大5のヘルプに載っているコンピュータの棋力の目安だ。
最初に試しに、よちよちと八枚落ちで指してみたら、楽勝だったが、駒落ちでは分からないと思い、実は、将棋センターに来ている7級の子供に試させてみた。この子は、現在、四段以上の人とは、八枚落ち、三段とは七枚、二段とは六枚落ちで指している。この子によちよちと対戦させたところ、やはり圧勝。次のビギナーとは勝ったり負けたりで結構いい勝負だった。
また、将棋センターに来ている2級の人にも、「初級」と指してもらったら、これはいい勝負になった。
本来は、もっといろいろな棋力の人に指してもらわないと分からないかもしれないが、私の感じでは、「よちよち」10級前後、「ビギナー」7〜6級、「初級」3〜2級、「中級」初〜二段、「上級」二〜三段、「マスター」四〜五段と言う風に受け取れた。』(ここまで東大5の検証部分)
下位レベルの強さに関しては、東大5とほとんど変わらないと思うが、東大5の問題点としてあげていた項目が改良されていた。
一つ目は、「よちよち」に感想戦の機能がついていなかったのが、つくようになった。
二つ目は、これをもっとも大きな問題としてあげていたのだが、(下位レベルでは)人間の同じ手に対しては、まったく同じ手しか返してこなかった部分が改良されていた。この部分が改良されたので、級位者にもより楽しめるようになったと思う。ただ、相変わらず、レベルそのものは少ない。なかなか棋力の上がらない大人にとっては、一つ上のレベルに上がるにも結構大変かもしれない。
(4)詰将棋解答機能
前回、非常に驚かされた東大5の詰将棋解答機能。この部分は、変わってないだろうと思い、とりあえず「図巧100番」を解かせて見た。
すると何と、東大5より・・・時間がかかった。東大5では12秒で解いていた図巧100番、12秒を過ぎても一向に解けないので、あれ?っと思ったのだが、結局解くまでに50秒かかっていた。一瞬、設定ミスでもしているのかと思い、見直して見たのだが(詰将棋メモリは最高の479)、同じ設定なのに、時間がかかっている。もっとも、他の詰将棋を解かせたところ、東大5より早く解けたものもあったので、これ一つで全て遅くなっているとは言い切れないのかもしれない。
ちなみに、難解な実戦の詰みを解かせてみたところ、これらは東大5と一緒で瞬時に解いた。
現実問題として、実戦に詰みがあるかどうかの検討なら、東大5でも6でも(すぐに解いてしまうため)まったく変わらないと言えるだろう。それに普通の詰将棋なら、相当な難解作でも瞬時に解くのでこれも問題ない。
と言うことで、この部分は、ほとんどの人は変わっていないと考えていいと思う。
ところで、この詰将棋解答機能の中に、一つだけ、東大6から、「全受手探索」という新機能がついた。これは、玉方のすべての応手に対する詰みを探索すると言うものだ。こういった詰将棋創作などに関する機能が増えるのは、喜ばしいことだが、一方で、この東大シリーズは操作性があまり良いとは言えない。実は、東大5の検証の時に、解く時間が早くなったので、これからは、東大5を使うかもしれない、と書いたのだが、その後使っていると、どうしても柿木の余詰め検討などの方が使い易いので、そちらを使ってしまっていた。
この東大6の詰将棋解答機能、操作性さえ上がれば、おそらくこちらをメインに使うことになると思うのだが・・・。
(5)東大5との違い
さて、ここまでのところ、前作東大5より改良された部分がそれほど出ていない。ここでは、もう少し詳しく東大5との違いを見ていこう。
パッケージには、次の6つの機能が新しくなったとして書かれている。
(1)思考エンジンの強化=より深く読むプログラムにより安定した実力を発揮
(2)女流棋士の感想が音声で=千葉、安食両女流が音声で感想を表現
(3)レーティング戦の導入=コンピュータとの対局結果で棋力の目安が分かる
(4)詰将棋自動生成機能を追加=東大将棋が詰将棋を作ります
(5)ヒント機能の強化=指し手だけでなくコメントも表示
(6)定跡編集の強化=独自の定跡登録が可能に
まず、(1)の思考エンジンの強化だが、おそらくいろいろと新しいことを考えて入れてあるのかもしれないが、実際の棋力としては、今まで見てきたように、結果として前作とそれほど変わってないと思う。
(2)の女流棋士の感想が音声で、と言うのは、今まで東大6が終了後、コメントを出していたが、その部分を音声で読ませるようにしたと言う訳だ。また、女流棋士に挑戦コーナーの部分でも、千葉、安食両女流が感想を喋っている。まあ、これはマイナーな改良部分ではあるが、それでも、勝っても負けても何も言わないソフトより面白いと思う(負けた時、本当に残念そうに喋っているのはなかなか)。この機能、特に、両女流のファンならたまらないかも(^^;
(3)のレーティング戦の導入が、今回の目玉の一つだろう。将棋倶楽部24と同じような感じで、対戦できる訳だ。但し、元々この東大将棋シリーズには、遊びの機能が、有り余るほどある訳で、それがもう一つ増えただけ、とも言える。
最初、三段(1900点)で登録して(これが登録では最高段位)、一度指してみたら、12点上がって、四段になり、続けてもう一度指したら11点上がっていた。対戦相手は、二回とも二段(1800点)で、コンピュータが勝手に決めるらしい。延々と勝っていったらどうなるのか、いずれ時間があったら試してみたい。
(4)の詰将棋自動生成機能。これは、コンピュータが勝手に詰将棋を作ると言う新しい機能だが、すでに単品で発売されている「東大将棋詰将棋道場」の詰将棋問題作成のプログラムをこちらに取り入れたものだ。作成の内容は、何回か試して見たところでは、ほぼ同じようなものが出来たので、プログラムも同じものを使っていると思われる(参考:(9)パソコンソフトの実力の詰将棋作成機能)。
さらに、作品の出来に対しては、この時に作成した「パソコンがアトランダムに作成した10問の詰将棋」というページがあるので、それを参考にして欲しい。
なお、この時にも言っているが、パソコンが作る詰将棋は、とても詰将棋と呼べる代物ではない。いわゆる「詰む将棋」である。しかし、それでも私自身は、この機能を載せたことを、大いに評価したいと思う。それは、難解な詰将棋より、簡単で、誰でも解けるものを作ってもらった方が多くの人に役に立つからだ。この作成機能を使うことで、事実上、無尽蔵に詰将棋に取り組むことが出来ると言える。ただ、この時にも書いたことだが、最長手数と難易度(これは難しいかも)が、設定できれば、なお良いのだが、残念ながら、最低手数しか設定できない。
(5)のヒント機能の強化は、コンピュータの読みが分かって面白い機能だ。前は、一手しか示してくれなかったのが、設定により1手から10手まで示すことができるようになった。また、同時にその時点での評価値も示してくれる。
(6)については、私自身が、定跡編集をしたことがないので、申し訳ないが、ちょっと良く分からない。ただ、メニューを見てみると、東大5の時より大幅に増えている。参考までに、東大5の定跡の部分のメニューと東大6の定跡の部分のメニューを載せておいたので、見てもらえば、ある程度は想像がつくのではないかと思う。東大6では、定跡リストなるものが表示されて、独自の定跡登録が出来るようだ(最初は「標準」だけが入っている)。
| 東大将棋5のメニュー | 東大将棋6のメニュー |
![]() |
![]() |
(6)その他の機能
東大将棋6にある有り余るほどの機能についてざっと述べておこう。
対局のメニューには、東大5と同じように、通常対局の他に、将棋大会、女流棋士に挑戦、道場巡り、棋譜鑑賞があり、さらに、道場巡りの中には、定跡道場、目隠し将棋、棋力認定所がある。また、他に、詰将棋対局と言う項目があり、これは「東大将棋詰将棋道場」から持ってきたものだと思うが、中には、詰将棋道場、大道棋道場、詰将棋マシンに挑戦のコーナーがある。さらに、名作詰将棋の鑑賞もできる(これも詰将棋道場の機能)。
機能は、どれも数回やっただけで、とても短い期間では、全部試すことはできなかったが、遊ぶには十分過ぎるだろうと思う。
また、それら以外にも、東大5の機能がほとんど引き継がれている他、様々な細かい改良がなされている。たとえば、盤面編集時に駒箱が出来たのもうれしい。今までは、不要な駒を除外することが出来なかったが、これで駒箱へ置いておくことが出来る。すると、自由に盤面編集して、そこから指すことが出来るので、たとえば、歩三兵(ふさんぴょう)とか太閤(たいこう)将棋のようなものすら可能だ(言葉の意味は将棋用語集へ)。
まだ、使っていない機能もたくさんあるが、こういった細かいところに、いろいろな改良の跡が見られる。
(7)結論
さて、今回使ってきた感想を、まとめてみようと思う。
まず多くの人が気になっている最強ソフトの強さのアップ。これは、残念ながら、この一年で(はっきりとは)強く出来なかったと言えるだろう。中盤は、無駄な手待ちなども相変わらず多いが、それでも東大5より若干改良されたのかな、と言う感じがしている。四段の人に指してもらったところ、東大5の時は、すぐに有利な体勢を築くことが出来たのに対し、東大6になってからは、それがやや難しくなった印象を受けた。
しかし、序中盤の構想力が勝負に直結するプロと違って、アマチュアの場合勝負は終盤で決まることが多い。その終盤については、東大5が、六回に一回緩手を出すとすると、東大6は、五回に一回緩手を出している感じを受けた。これは、非常に微妙なものではあるが、(終盤に関してだけは)若干緩くなったのでは、と感じられる原因だろう。
と言うことで、結局、総合的なマスターの棋力は、東大5も東大6も、ほとんど変わらないと考えて良いと思う。
したがって、東大5を持っている人が、強さのみを求めて購入すると、少々がっかりするかもしれない。しかし、今回の東大6は、随所に改良点が見られる。下位レベルでの指し手の変化に、感想機能の追加、さらに、駒箱の追加とか、定跡編集の追加などなど。
さらに、遊びの面では、レーティング戦の追加に、これが一番大きいと思うが、「詰将棋道場」のかなりの部分を東大6の機能に移植したことだ。
こういった機能アップが図られているため、トータルでは、今一番のソフトが、東大将棋6であることは間違いない。東大5と詰将棋道場、この二つを持っている人が、東大6を買って納得するかどうかは疑問だが、それ以外の全ての人たちに、一押しのソフトである。
最後に、いつものように、今後の要望を出しておきたいと思う。
(1)対局の下位レベルをもっと細かく段階的になるように分けて欲しい。
(2)詰将棋解答機能などの操作性を良くして欲しい。
(3)感想機能の精度と形勢判断の精度をもっと上げて欲しい。
(4)対局する早さは十分だが、強さをもっと強くして欲しい(いずれプロと並ぶ強さに)。特に序、中盤の駒組み(大局観の悪さを直して)、より強くして欲しいし、戦型による弱点も克服して欲しい。
この要望、東大5で書いたものとほぼ同じになっている。というより、十分な機能を備えているため、他に要望がなくなって来ているとも言える。強さとか形勢判断の精度は、いつまでたってもその向上を望まなくなることはないので、大変だとは思うが、これらが少しでも良くなっていくと、ソフトを使う楽しみが増えると言えるだろう。
あまりに強くなりすぎて、需要がなくなり、ソフトの棋力向上がストップすることに多少の懸念を生ずるが、それでもプロに近づくことで、アマチュアに対して"正確な"指導も出来るようになるのではないかとも考えられる。また、上に来れば来るほど、ほんの少し強くするのも大変な事なのかもしれない。それでも、この東大シリーズは、一番期待している将棋ソフトである。来年、少しでも棋力アップして登場することを願って、このレポートを終わりにしたいと思う。
※東大将棋6をはじめとするパソコンソフトの終盤力を検証した、「ソフトが指すタイトル戦最終盤」も合わせてご覧下さい。
2003年09月02日作成