5月18日19日と名人戦第4局が行われました。
いつもは、速報感想文を載せているのですが、今回は2日目が土曜日ということもあり、速報感想文はお休み。ただ、代わりに将棋センター内で名人戦の検討を行い、その状況を少しですが掲示板に載せました。
検討時分からないこともあり、週刊将棋が楽しみだったのですが、土曜日だったので、週刊将棋への記事は来週になってしまうのですね。そこで、急遽、ここへ検討時の状況を、解説ということで、まとめておくことにしました。
検討には、私とプチ五段の他に、四段でも強い人たちが何人も来ていただき、有意義なものとなりました。
わざわざ来ていただいた三、四段の方、どうもありがとうございました。
(2001/05/20)
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先手が丸山名人、後手が谷川九段です。 名人の居飛穴に谷川九段は藤井システムで対抗。但し、名人が早い時期に▲3六歩と突いたため、△6二玉から早期に玉を囲うことになった。 単純に玉を穴熊に囲うのでは、角を引いて、△3五歩と動かれるのがつまないので、▲5五歩はよくある手法。それに対して、図の△5四歩と動いたところから未知の局面。 そして、ここまでが1日目の終了図。 |
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封じ手は、▲5六銀。もっとも自然な一手だった。 このあたりの解説、実は今回はBSも一切見ていないので、詳細は分からないのですが、左図の局面は、2日目午後、手合いのついていない人たちと多少検討していた局面です。 △5六歩の突きだしが味良いので、振り飛車がやれるのではないかと感じたのですが、検討するとこれが容易ではない。 先手の2筋を切って、▲2三歩と合わせる攻めが確実なため、それより早いスピードで手を作らなければならないのだが、その手順が見えないので案外居飛車がいいのだろうか、ということになっていた瞬間。 |
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左図は、自陣飛車を打ったところ。 実は上図の段階で、このあたりも検討の対象に入ってはいたが、△3三角▲2一飛成りでは、「これは(後手が)全然ダメだよ」(H坂四段)との言葉に私も同感。ここで打ち切り、上図より、別の変化を検討していた。 ところが、なんと実戦がこの通りに進んだのでびっくり。 もっとも先手の良さは微差だったようだ。▲2一飛成りに△2四飛がうまい手だった。角を△4六に飛び出して、また難しくなったように思った。 |
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この一手前の局面を、やはり手のあいている強力な四段陣(K松四段、T中四段)と検討していて、特に▲3七角と合わせる筋を中心にやっていた。 先手の桂得なので良さそうに見えるのだが、なかなかはっきりしない。 ▲3七角△同角成▲同桂△3九飛▲5九歩△4六角。最後の△4六角が攻防でなかなか容易でないとの検討中に、指された、▲6五角! これがうまい一手だった。 自分が谷川九段側を持ち、K松四段の攻めを受ける状況。 放置すると次の▲5五桂が厳しいので、△6四歩が第一感。以下、▲4三角成△同金▲5五桂を中心に検討。△3九飛には▲5九歩を打たせて、攻めを緩和しようとするが、▲1一飛成の補充が利くため、なかなか先手の攻めを振りほどけない。 |
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結局、谷川九段は、端に手をつけてから、△6四歩と催促。それに対して、丸山名人は、角を切って▲6三桂。こちらの方が攻めは厳しいが、本譜のようにすすんだ時、△4九飛に▲5九歩と打てないのがつらいと思ったのだが・・・。もちろんそんなことは、承知の上での、▲6三桂。△4九飛には▲7八銀で受かっているとの読みがすごい。 下図の△4九飛は5筋に歩が利かない瞬間なので、先手にとっては相当恐い形。▲7八銀で大丈夫との読みだが、ぎりぎりの局面なので、入間検討陣も一番熱の入ったところ。 ▲7八銀に、△6九飛成▲同銀△7九角成の筋と▲7九角成の攻めを両方検討するが、はっきりしない。というよりどうしても先手に余されてしまう。 |
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一例として、△6九飛成▲同銀△7九角成は▲6八飛。また7八角成は▲5九銀△同飛成▲同金引△8八銀▲9八玉△9六香▲7九金△9七香成▲同桂△7九銀不成。 他に端にあやを付けたり、形を微妙に変えたり、はては△5二金と取り、▲7一銀を打たせる変化まで検討したが、どうしても先手に余される。 確かこの時だったと思うが、毎日のHP実況に、「取材室で佐藤康光九段、郷田八段らが検討を続けるが、結論までは出ず。丸山乗り多し。」と出ているのを見て、「おかしいなぁ、入間検討陣は、結論出ちゃったんだけどなぁ。何かもっと別の筋があるのかなぁ」と冗談交じりに話していたところだ。 |
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もっとも、毎日の谷川九段の話を見ると、△4九飛では▲9五歩ならまだ難しかったと言っているところから、当然とも思える、△4九飛がやや疑問で、先に端に綾をつければ、まだ大変だったのかもしれない。 左図の▲8八銀と打ったところでは、はっきり後手が足りないようだ。 この局面も検討したが、本譜通り進んで、一度は、▲9九飛を打たずに▲6一ととしたら、△7八金と食い付かれて、いっぺんに逆転。 だが、▲9九飛を発見すると、かなりはっきり足りないので、これはダメだな、との結論で、検討の方はほとんど終わりになった。 |
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左図が投了図。 ▲9九飛がピッタリした受けの一手で、これで先手玉に寄りつきがない。▲6一とが必死に二手すきなので、一手すきをかけ続けるしかないが、△5八馬では、次に一手すきがかからず、△7八銀や△7八馬の後、△8四香のような薄い一手すきでは、▲6一との後、金を埋められて簡単に受かってしまうため、「投了もやむを得ない」ということだ。 全体的には、どうも、△5六歩の突き出しが味良しの為、△5五歩から動いたが、あまり良くなく、じっと△4二角と引いておいてこれからの将棋だったようだ。もっとも終盤、まだ難しいところがあったみたいだが、それでも、中盤での損が結局返しきれない印象を受けた。 |