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名人戦第7局、速報感想文

名人戦第7局の速報感想を載せていきます。予定としては、1日目は、3〜4回(午前10時、午後1時、6時過ぎ)、2日目は、随時ですが、午後6時過ぎのアップの後、一旦掲示板に移ります(2日目、検討会のため)。

なお、このページは、古い状態のままのものが呼び出されることが良くあるようなので、念のため、ブラウザの更新ボタンを押してみて下さい。(2001/06/21)


いよいよ名人戦最終局が始まりました。第7局は、あらためて振り駒ですが、先手が谷川九段、後手が丸山名人になっています。

後手が名人なら、ほぼ、横歩取りで決まりでしょうか。図は、10時のBS放送終了局面。

横歩取り8五飛のもっとも基本的なところまで進んだ。ここでの先手の指し手が今後の方針を決めるとも言える。▲8七歩と打ち、△8五飛をさせるのか、前回のように▲8七歩保留で行くのか、いろいろな手段が考えられるところだ。
今後は、定跡をどこから外れるのか、また本を参考にしながら、興味を持って見ていきたいと思う。
(6月21日午前10時10分記)
1日目昼までの局面。
谷川九段は、先手では、▲8七歩を決め、▲6八玉と構えることが多い。名人戦第2局もそうだったが、この形に自信を持っているのだろう。
対して、名人は、△5五飛と回り、第2局から離れた。この△5五飛も有力な一手で、本(横歩取り△8五飛戦法)によると、具体的には、次に△7五歩と突くのが狙い。▲5五同角と取るのは、変化はあるものの、後手優勢とある。
で、▲4五歩と突き、角を交換するが、最後の▲6六歩が最近の「有力手」なのだろうか。実は、▲6六歩については、本には載っていない。
しかし、この局面、先日行われた、羽生−郷田の棋聖戦でも現れたし(先手羽生勝ち)、今年2月、谷川−丸山戦の全日プロでも現れている(先手谷川勝ち)。両方とも勝ったのは、(たまたま)先手だが、実戦は難解だったと思う。
第七局にふさわしい、最先端の難解な将棋になりそうだ。
(21日午後1時記)
図の3手前、△7五歩では、△2四歩としておくのが普通だ。反撃にあった時、2筋の飛車の直通は大きいと思う。
△7五歩も過去の実戦例はあるが、非常に少なく、当然研究範囲のはずだ。そして、それに対する▲8三角。どうやらここから未知の局面に入ったらしい。
▲7五同歩と取るのも自然だが、いつでも、△6五桂▲同歩△6六角のような攻めがあり、善悪の判断は今後の課題だろう。いずれにせよ、先手が受け、後手が攻める形になった。
△4五桂もすごい手だ。▲同桂なら△4六角、5七の地点を守れば、△4四角から△6六角と言う手もありそうだ。細い攻めだが、受けきるのも容易ではなさそう。
1日目から激しい戦いになった。
(21日午後4時記)
1日目終了局面。結局、上記より2手しか進まなかった。
谷川九段が長考していて、消費時間もずいぶん差ができたらしい。
どうも、△7五歩から△4五桂は名人の研究手順に見える。単純に見えるが、予想外に厳しいのかもしれない。
図では、△5七角成を防ぐしかないと思うが、▲1九角成の後の手も難しい。
封じ手予想、BSの田中九段、真田五段は、▲4七角成や▲5八金を検討していたが、実際、普通に指すなら、この二つが有力だ。他に▲1八香として、△5七飛成を甘受する指し方も検討していたが、さすがに悪そうに見える。5七を守る手としては、他に▲4八金、▲6七金もあるが、さすがに▲6七金は形がひどすぎて勝てないだろう。ということで、私の予想はもっとも普通の▲4七角成だが、△1九角成▲3六歩△5五馬(BS放送)で、やや後手持ちだ。
(21日午後6時10分記)
封じ手は、▲5八金だった。
▲4七角成との比較検討だったと思うが、当然の△1九角成に、▲2三歩!
正直まったく見えてなかったが、△同銀は、▲同飛成△同金▲3五桂が厳しい(BS放送)。そして、△3一銀に、▲3三桂。するどい切り返しが入った。
昨日の段階では、時間の使い方や、△7五歩からの手順が丸山名人の研究範囲に見えただけに(実際そうだと思うが)、先手が苦慮しているように見えたが、こうなってみると、先手も十分やれそうに見える。この変化なら、確かに▲8三の角は6一に利かしておいた方がいいだろう。さすがに谷川九段だ。
形勢混沌!
(22日午前10時半記)
2日目昼までの局面。
△5二玉の一手に2時間以上の長考。当然この一手だろうが、のちのちの変化を考えていたのであろうか。

今、△2五歩と打ったところ。▲同飛は△2四香でこの時に何か技をかけなければならない。△2四香と打たれてまずいのなら、▲2七飛か、▲2九飛と引くよりないが、BSで、青野九段と田中九段が、▲2九飛△5五馬▲5六角成という変化を検討していて、やや先手良さそうとのことであった。ただ、▲5六角成は玉のこびんが開くだけに、相当こわい。もっとも▲4五の桂を味良く取られてはまずいので、△5五馬の時には仕方ないかもしれない。(▲5六角成△同馬▲同歩の局面は)自分にはいい勝負のような気がするが。
(22日午後1時記)
現在、3時50分。上図より、▲2七飛の一手しか動いていない。名人の長考が続いている模様。
△4五桂とはねてやれると思っていたのが、意外に大変なので、長考になっているのであろうか?

まもなく、BSが始まるので、次回は6時過ぎアップの予定。
(22日午後3時50分記)
現在5時半の局面。
BS放送で、佐藤康九段、久保七段、田中九段が検討していたが、非常に難解。但し、やや名人持ちな感じ。
△5五馬から△6六馬が、まったりとした、名人らしいうまい手だと思う。

ただ、局面は、とにかく難解。
佐藤九段が分からなければ、誰も分からないということ。
1日目には、早い時間に終わるかもしれない可能性があったが、最終局にふさわしい熱戦になった。これから、ねじり合いの終盤戦が見られそうだ。
(22日午後5時半記)

上図より、△2二同金▲7七金△4四馬▲3五銀で夕食休憩に入った。
BS放送でも、やや名人乗りの声が多いが、非常に微差。検討に熱が入りそうなほど難解だ。

今日は、7時頃より入間将棋センター内で検討会を行うので、ここへのアップはおしまい。以降は、将棋タウン掲示板へ書き、後日その後の経過をまとめたいと思います。
(22日午後6時10分記)
名人戦第7局、谷川九段が84手で投了。丸山名人の初防衛が決まった。

7時過ぎの検討会の模様を記しておこうと思う。

図の△2三香が検討にまったく出てこなかった、意表の一手。図では、△2四歩を検討しており、これはこれで難しかったのだが。△2三香の意味はすぐには分からなかった。▲2四歩は当然として、△4五馬▲2三歩成に、△3六馬が一つの狙いだが、すぐには、▲4七角成で受かる。そこで、△6五桂打を、検討陣の一人koma2さんが発見すると、これが先手にとって、容易でない。本譜も検討通りに進んだが、直後の▲4四歩が谷川九段らしい光速の一手。このタイミングでないと、先手が全然届かないのだが、にわかにまた難しくなった感じがした。
▲2二とは検討していた時は、あまり評判がよくなかった。▲3三とでどうなのかと検討していたのだが、実際はこれでもダメだろう(その時は△3六馬が詰めろだと思ってなかった)。
図の△3六馬が先手玉の詰めろになっている。つまり、△5八馬▲7八玉△6七金▲同金△同馬▲8八玉△7七桂成以下、かなり難解な詰めろ。
検討していた時、最初は残しているのでは、と見ていたが、これが詰めろでは先手苦しい。▲4三金の非常手段では、届かないように見える。
△5七桂成から精算しても、飛車と桂を渡しても詰まないと読み切った名人の読みがまさった。
精算した後、すぐに△3五馬と王手で駒を取らないのが、当然とは言え、うまい。△6五桂打を決められてみると、どうしても先手玉が寄ってしまう。
左図が投了図。▲3二飛に△4二金打と合駒したところ。
後手玉は詰まない。先手玉は、ほぼ必死。ただ▲6七金とする手があり、ちょっと難しい。以下、△4八馬▲5七桂△同桂成で、長いが後手の勝ちは動かないとのこと(BS放送より)。

全体を振り返ってみると、1日目から激しい戦いになった本局、名人戦最終局にふさわしい熱戦になった。BS放送を見ていても、検討していても、指した方が良くみえる、好局だった。
具体的にどの手が悪かったのか、すぐには分からないが、週刊将棋の解説を楽しみにしたいと思う。
(22日午前0時記)

週刊将棋の解説を見て、上記と特に違う点を追加しておきたいと思う。

(1)まず、△2四香に対する、63手目の▲2四歩。検討していたときは、当然の一手として、その後を検討していたが、この手が小ミスだったらしい。▲2四歩では、▲4四銀が勝っていたとのこと(検討していたときは、△同飛▲3五飛△3四歩で先手まずいということで打ちきってしまった)。実際には、さらに深く検討しなければならず、△3四歩以降、▲5三桂成△同銀▲7五飛△6四銀打▲4五歩△5四飛▲7四飛で本譜の▲2四歩よりは良いとのことである。

(2)投了図について
今回、投了図後、▲6七金と受ける手についての話題が出ていたが、やはり、谷川九段は、投了後、粘る手に気付いたとのことだった。
週刊将棋によると、投了図から▲6七金が最難関。これに対し、平凡に△5七銀▲7五玉△8五金▲7四玉△7七桂成だと▲5六香(詰めろ)で逆転。正解は、△4八馬▲5七桂△同桂成▲3四銀△6五金▲7七玉△6七成桂▲8八玉△6六馬▲7七香△5四銀で後手玉にうまい攻めが続かないというもの(感想戦で、この順を丸山名人が示した)だった。
谷川九段の話に、「最後△6五桂と打たれてあきらめてしまった。」とあったが、我々の検討時も(△3五馬と王手で銀が取れるのにこれを取らずに)△6五桂と打ったのをみて、これが非常に厳しく、後手勝ちは動かないと思っていた。

現実には、後手が残していた訳だが、必死のように見える局面でさえ、まだ手があることにたいへん驚き、将棋の奥深さ、難しさを感じた。名人戦最終局にふさわしい、名局だったと思う。
(6月24日記)

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