2004年4月、第62期名人戦が始まりました。
名人戦の棋譜速報は有料なため、この感想は、無料ページの棋譜及び、BS放送のあとからのアップとなります。
BSは、第1日目、午前9:00〜10:00、午後5:00〜6:00の放送、第2日目は、午前9:00〜10:00、午後4:00〜6:00、午後10:45〜11:00の放送予定となっています。
更新の予定は、1日目は、2回(午前10時過ぎ、午後7時頃)、2日目は、随時(無料ページ更新後及び、BS放送後)となります。(2004/04/13AM10:10)
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先手羽生名人、後手森内竜王でついに名人戦の第1局が始まった。 先手、羽生名人の▲7六歩から▲2六歩は当然の予想だったが、森内竜王の4手目△5四歩には、ちょっと驚き。第1局目から振り飛車の採用を明示した。それに対し、羽生名人は、▲4八銀。▲2五歩を伸ばし、△5二飛とゴキゲン中飛車にするなら、一気に激しい変化になることも予想されたが、名人は、穏やかな順を選んだ。 しかし、これに対して、さらに△3三角!この手は、あまり見たことがないと思っていたら、「非常に新しい手」(解説の高橋九段)とのことだ。同じように進んだ対局も、何局かあるらしいが、森内竜王の研究手順かもしれない。 そして、左図。ここまでが、10時のBS放送までに指された局面。結局、向かい飛車に落ち着いたが、ここからしばらくは、先手がどのような陣形に組むかに注目だ。 なお、今回の名人戦は、最新の定跡将棋ソフト「東大将棋定跡道場完結編」を参考にしながら序盤を見ていこうと思っていたが、この局面を見てみると、ゴキゲン中飛車に対する▲2五歩保留型はあるが、▲4八銀には△5五歩と突く変化しか解説されていない。1局目から、いきなり手将棋風になった(この将棋が、そのまま定跡化される可能性もありそうだ)。 (4月13日午前10時30分記) |
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1日目終了局面。午後5時、BSが始まった局面から一手も動かず、そのまま封じ手となった。 上図から、羽生名人は、▲5七銀から▲6六歩と、じっくり持久戦模様に駒組みを進めた。居飛車穴熊になるのかと思っていたら、左図の一手前に▲7八銀!高橋九段も言っていたように、私もこの局面なら穴熊に組んでみたい。 対して、森内竜王の方が、△9二香と穴熊を明示。△7二銀なら普通だったが、この瞬間は、ちょっと恐い。3筋方面から急襲されるのは、大丈夫と見てのことだが。 封じ手は、先手がじっくり組むなら▲9六歩か▲8六歩。後手の陣形に不備ありと見て、先攻するなら、▲3六歩か▲4六銀。実際、「それ以外は、ほとんど考えられない」(高橋九段)だろう。 |
| 個人的には、▲9六歩の持久戦を予想しているものの、羽生名人が、封じ手にずいぶん時間をかけたことを考慮すると、急戦と持久戦の確率は、ほぼ五割かとも思う。 BS放送の後半には、久保八段も出てきて、この局面なら「振り飛車も不満はない」ような話をしていたが、この局面に対する他の棋士の見解も、興味のあるところだ。また、6手目の△3三角は、佐藤棋聖が、最初に指した手で、その後もかなり指されているというようなことも言っていた。研究課題の局面なのかもしれない。 さて局面は、封じ手によって、その後の展開が、ガラリと変わってしまう作戦の岐路にさしかかって来た。 ※今回は、毎日の無料ページによる、棋譜速報はなさそうです。明日も、全くない場合、更新は、BS放送後、30分〜1時間の間で、3回程度となります。 (4月13日午後6時30分記) |
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名人戦2日目が始まった。封じ手は、▲8六歩。 ▲9六歩が先かと思っていたが、プロでも、予想は、それぞれ違ったらしい。 (▲3六歩などの急戦ではなく)囲いを優先させれば、以下の手順は、誰がやってもこうなるところ。但し、▲3六歩には、ちょっと驚いた。BSの解説に出てきた木村七段が「積極的な手」と言っていたように、▲9六歩の前に▲3六歩は、やや危険な手にも見える。持時間が短い将棋なら、▲9六歩ととりあえず突くものだろうが、右側で、攻勢を取られないために必要な一手なのだろう。 対して、△4四銀も積極的な一手だ。先手には、▲9六歩の一手が絶対に必要であり(終盤に△9五桂などの筋を未然に防ぐ)、できれば▲1六歩(△1五角の飛び出しを防ぐ)も▲8五歩も指したい。 若干、不備のあるこの瞬間に、後手が、うまく動いてポイントを取れるかどうか。中盤に入り、局面は、いよいよ佳境にさしかかってきた。 (4月14日午前10時20分記) |
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午後4時、BS放送が開始された。上図より、森内竜王は、△5二飛と回り、▲9六歩に△5五歩から△6五歩と戦いに踏み切った。 こういった攻めは、振り飛車穴熊対銀冠では良く出る筋。但し、通常の四間飛車なら△4五歩▲4七歩となっていたり、▲9五歩や▲8五歩が入っていたりする。特に、▲8五歩と一手入っているのは、大きな手で、△6五歩の瞬間、▲2四歩から▲3七桂と跳ねて、居飛車も相当指せる戦いだ(飛車を成り込むと、▲8四歩が厳しい)。 しかし、今回は、▲8五歩の一手が入っていない為、私は、振り飛車が十分やれるのでは、と思っていた。羽生名人も、攻め合うのではなく、徹底抗戦に出た。▲6五歩を取り、6七の金を取られても、▲5五歩で押さえ込む方針だ。 BS開始直前に打たれた、左図の△6四金打が、参考になる一手。△6四歩では、やや攻めが薄いと見ての手厚い一手だ。しかし、羽生名人も、▲6六金で粘る。 |
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金銀の打ち換えで、一旦は、千日手になるかと思われたが・・・。 森内竜王が、30分位考えて指した手は、△6四歩。私自身は、千日手に逃げられたのかな(先手は、千日手やむなし)、と思って見ていただけに、ちょっと驚いた。 左図が、午後6時、BS放送終了局面。これでも、▲6七銀打とすれば、千日手模様に見えるが、最後に出てきた久保八段によれば、以下、△6六金▲同銀△6五金▲6七金△5六金▲同金△6五銀▲6七金△5六銀▲同金に△6七金と打てる。これで、後手からの千日手打開が可能とのこと。 実際、そこまで進めば、後手がやれそうだ。したがって、先手も何かやらなければならない(▲6五同銀と取るような手で勝負に行くなど)。 積極的な指し回しで、森内竜王有望に見える。 (14日午後6時20分記) |
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86手で羽生名人投了。左図が、投了図。 上図より、▲6七銀打と粘るのでは、久保八段の手順でダメそうなので、BS解説でもやっていたように、▲6五銀△同歩▲同金から▲5四銀と絡んで勝負形に持ち込むのかとも思っていたが、羽生名人は、あっさり▲6七銀打。 以下、手順は、違うが、△6七金が実現し、しかもそのまま投了となった。 本局は、森内竜王のゴキゲン中飛車風の出だしに対し、羽生名人が、▲4八銀とじっくり戦うことを選び、その後も、乱戦(急戦)を拒否し続けた。逆に、竜王は、穴熊に手早く囲うと、△4四銀から△5二飛と積極的に動き、先手の陣形の出遅れをうまく突く形となった。途中、千日手模様に粘られて、(千日手も)仕方ないかな、と思われた局面さえ、打開し、見事勝利。森内竜王の完勝譜だろう。 この第1局を見る限り、名人危うしを感じさせるが、2局目以降の巻き返しを期待したい。 (14日午後9時記) |
| (週刊将棋を見て) まず、6手目の△3三角だが、久保八段も、BSで「30局近くある」と話していたが、正確には、これまでに(平成14年から)、29局指され、後手が、17勝と勝ち越しているそうだ。また、高橋九段も解説していた手順だが、『▲3三同角成△同桂▲2五歩△2二飛に▲5三角と馬を作りに行くのは、△5五角が絶好の切り返しになる。』 中盤の駒組み段階で、なぜ穴熊にしなかったのだろうと思った局面については、 『先手は居飛車穴熊も考えられ検討陣の人気も高かったが、「陣形が偏ってバランスが悪い」と羽生は否定的だった。』 さて、本譜は、何が悪かったのか。この原因について、週刊将棋トップに、『ごくごく普通に思えた名人の端歩突きが敗着に』とあるのを見て、一番驚いた。 『玉を広げて普通に見える▲9六歩に、結果的に疑問符が付いた。(中略)▲9六歩では▲3七桂と反撃を用意すべきだった。』と言うことで、△6五歩と大攻勢をかけられては、先手がまずいらしい。 ▲6五同歩のところで、▲2四歩からの攻め合い手順も書かれているが、「1手負け」だそうで、▲6五同歩と取ったのは、千日手に逃れるための、『小さなマジック』だったと言う。しかし、結局はその思惑を、巧妙な手順で打開した森内竜王の強さが光った一局となってしまった。 なお、終局については、『投了図で角を逃げると中央突破されるため先手は駒損が避けられない。▲7八銀には△7七金▲同桂△1五角で攻めが続く』とあり、羽生名人の言葉に、『指せば手数は掛かりますがダメでしょうね。』とある。 アマチュアなら、まだまだこれから、と言った局面でも、この二人の間では、逆転の可能性のない大差と言うことなのだろう。 (2004年4月18日記) |
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