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王位戦第3局、臨時感想文

8月8日、9日に行われた、王位戦第3局は、大熱戦でした。
四間飛車という私の好きな戦型でもあるので、ここに、臨時の感想を載せたいと思います(解説ではありません)。

羽生王位の先手で、四間飛車。
対して谷川九段は、右四間飛車で、迎え撃つ。

図の▲7五歩は珍しい手だが、最近よく見かけるようになった。
7三桂と、桂の活用を妨げながら、いつでも、7八飛から反撃できる積極的な手だ。

これに対して、長期戦は7五歩の手を生かすことになると見て、すぐに動いたのが、△6五歩から△6六歩。
そして、△5五銀から、△6六歩。
そうして、▲7六銀となったのが左図。
この局面を見ると、思いっきり、刀を振り上げたものの、ひらりとかわされた感じだ。
似たようなプロの対局で、7五歩がなく、7八に銀を引いた試合を見たことがあるが、それでさえ、難しいのだから(やや居飛車良さそうだが)、7六に銀が上がれるのなら、振り飛車としては、申し分ないはずだ。
この7五歩は、今後右四間飛車の有力な対策になりそうな気がする。
局面は進み、がっちり、美濃に組上げ、左桂まで活用して、いよいよ、▲5六歩と、反撃に移る。
△同銀に、気持ちよく、6六の歩が払えては、振り飛車、指しやすそうに見える。
ただ、△4四歩の後が難しい。
7七角も8八角も、△6七歩と叩かれた時の応手が意外に大変。
どうするんだろう、と思っていたら、羽生王位は、▲3九角!(左図)
本局で、一番驚いた手だ。・・・いや、二番目に。
自分だったら、相手の玉筋から離れる手など、一秒も考えないに違いない。
そして、桂は取られたものの、角をさばき、飛車を押さえ込んで、▲8四歩を突いた局面は、みかけ上は、かなり振り飛車良さそうに感じる・・・が。

△3二金寄から△4二飛はさすが谷川九段。
8三のと金が、ぼけるばかりか、一気に4筋に戦いが移り、いっぺんに難しくなった感じがする。
ただ、こうした手があることを考えるなら、自分が、優勢に感じている程度の差は実際にはないのかもしれない。
この後、△4六歩▲同歩△5四桂と手筋で攻める。
さらに両取りを防ぐ、▲4八金左に、今度は、△7七角とこちらから。
9二飛と逃げた局面で、7七角は一目だが、9八飛と逃げられた後の攻めがなく、居飛車大変と思っていたが、4筋を攻め、金を動かした後での、7七角はひと味違う。かなり迫力のある攻めになった。

一方、6三の歩をと金に変え、▲6三とと引く。
図は、△6七歩成に同銀、同馬とし、▲5三とと寄ったところ。
後手の銀桂得だが、と金も働いている。さらに歩切れなのがいたい。
いったい、局面はどっちが良いのか。振り飛車が作戦勝ちしていたと思っていただけに、訳が分からなくなってきたところだ。
後手も必死の食いつきを見せるが、飛車角交換後の▲6一飛がかなりいたかった。一歩あれば、すむところなのだが・・・。
△8五角に▲5八歩が、あまりにもぴったりした受け。
さらに、▲8六歩がきいて、△7六角と逃げるしかないのであれば、振り飛車が逃げ切った感じだ。
図の▲3八金打も実戦では難しい手だ。金駒を持ち駒にしておかなければいけない時と、受けに使ってしまってもいい場合とを的確に判断して、投入しなければならない。
そして、極めつけは、▲1八玉
よくある手筋だが、△9八角成の時に手抜きで寄ったのがすごい。
これで、どうやら先手が余したらしい。

それにしても難解な将棋だった。
振り飛車、作戦勝ちから、後手の猛攻にあい、一時は逆転し、それを再逆転したのか、あるいは、ぎりぎり残っていたのか、正確な判断は、週刊将棋まで、待つとしましょう。

やはり、この二人の将棋は面白い・・・。

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