ホームへ戻る/速報感想表紙へ

王位戦第3局、速報感想

ここでは、2002年、第43期王位戦第3局の速報感想を書いていきます。棋譜の速報は、トップページから神戸新聞のホームページへ。

このページの更新予定は、1日目(8月6日)は、2回(午後1時過ぎ、午後7時過ぎ)、2日目(7日)は、随時(但し数回)載せて行くつもりです。(2002/08/06PM1:00)


この第3局は、先手羽生王位、後手谷川九段です。

図はお昼過ぎの局面。これを見れば分かるように、本局は、矢倉。昔は多かったが、最近は珍しいと思うほどめったにお目にかからず、むしろ新鮮。

図で先手の羽生王位は、▲7八金を保留して駒組みを進めているが、場合によると、▲6八玉から▲7八玉と手得を見ている。そしてそれを阻止すべく後手も細心の駒組みを行うことになる。
横歩取りなどと比べると一手ばったりの手はなく、序盤は漫然と手が進められているように見えるが、トッププロともなると「僅かの作戦ミスが取り返しのつかないことになる」(現代矢倉の闘い)ようだ。
本格的な戦いは明日からか。
(8月6日午後1時30分記)

1日目終了局面。

先手は▲6八玉から一直線に玉を囲った。普通に囲ったのでは、(先手の手得が生き)作戦負けになると言うことで、後手は、△3三銀を決めないまま、7筋の歩を切り攻勢を取る。これで実質的には(普通に矢倉に組んだとしても)、手損にはなっていない。

明日は、この先手の厚みが生きるかどうかという戦いで、長くなりそうだ。まだ形勢云々を言う段階ではないが、個人的には、ちょっと先手に十分に組ませ過ぎた感じがする。久々に見る矢倉の熱戦が期待できそう。
(8月6日午後7時記)

2日目お昼までの局面。
谷川九段は、4筋の位を取り、羽生王位は、6筋7筋の位を取った。どちらも玉頭が厚く、薄い攻めだと簡単に切れてしまいそうだ。

ということで、全局的に判断しながら、厚い玉頭側から手をつけていくことになるのであろうか?ちょっとどこから戦端が開かれるか見当がつかない。
普通、こういう玉頭が手厚い将棋は、常に入玉を考慮に入れながら指すことになるのだが、指しているのが、谷川九段なので、そうやすやすと入玉将棋になるとも思えない。
細かい折衝がまだ続き、本格的な戦いは夕方からになりそうだ。個人的には、先手を持ちたい気分。
(8月7日午後1時30分記)
2日目16時30分の局面。実況中継の画面が開かなくなったので、最新盤面から手順を推察した。

上図、後手から打開は難しいかと思っていたら、△6四歩から角交換に持っていった。とは言え、先に馬を作られてしまうのでどうだったのだろう?
今、▲6三歩と攻めを焦らせた手に対し、△7五銀!と銀のただ捨て。このまま、▲6二歩成から▲6三ととなってはまずいので、勝負手だ。
今後の進行としては、▲同銀△3九角▲5七銀△4八角成▲同銀△2八飛▲5七銀△2九飛成が一つ(平凡に進めると)。
さすがに銀得して上部が厚いので、後手が寄せきるのは容易じゃないような気がするが。しかし、終盤になると、思わぬ手を見せてくれる両者だけに、まだまだ形勢は分からない。
(8月7日午後5時記)
2日目18時の局面。
上図からほぼ予想通りに進んだ。ということは、局面そのものが分かりやすくなっているのかもしれない。

図の▲6三角は、なるほどうまい。思わず▲6四角と打ってしまいたくなるが、4二の飛車との交換は、角を渡すだけにかえって危険。▲6三角を打ち、▲5二とを見せた方が厳しい。
後手からは、歩切れをついて△7三香や△7八歩といった攻めが見えるが、仮に金駒一枚取っても、上部が厚く、寄せきるのは大変そうに見える。
先手羽生王位優勢・・・と思う。
(8月7日午後6時20分記)

谷川九段、寄せきった模様。図面しかないので、上図からどう進んだかちょっと分からない。棋譜が出た段階で、またアップします。(8月7日午後7時30分記)

上図から、△3三金直がうまい受け。飛車の逃げ場所を作っただけの手なので、見つけづらく、つい攻めることだけを考えてしまいがちだが、これでいっぺんに後手玉への攻めも遠のいたように見える。
とは言え、先手玉も当分寄りそうに見えなかったのだが、△5九龍から△5八桂成がじっくりした好手だったのだろう。△7八歩とかつい玉に直接影響する手を考えがちだが、そうすると玉を追い出して、入玉させてしまうことになるのかもしれない。

数手進んで、図の△8五歩。こうなってみると、攻めが容易に振りほどけず、後手玉も固い。いったいどこで逆転したんだろうと思わざるを得ない。あるいは、上図もそれほど差はなかったのかもしれない。

図が投了図。以下は、▲7五同銀の一手に、△同歩▲同玉△7四歩▲7五玉△7五銀▲8七玉△8六歩までの詰み。

駒組みから、羽生王位十分と思っていたが、いつの間にか、後手の攻めが振りほどけず、先手大変になっていた。小さな疑問手がいくつかあったのかもしれない。不思議な将棋だ。

週刊将棋を見て、追加しておきたいことがあったら、またここに書いておく予定。

(8月7日午後8時30分記)

上の実況で見ていた時と、週刊将棋の記事で特に違うところを書いておきたい。

羽生王位が、「(85手目の)角を6三から打ったのが敗着かも。△3三金直の後はどうも負けのようです。」と言っているように、見ている時はうまそうに見えた▲6三角が、まずかったみたいだ。
しかし、正着は、もっと驚く▲7四角!△3三金直なら▲6五角と歩を払って6六の桂がはずせるので、後手の攻めは続かない。△7三香には、▲5二と△7四香▲4二と△同金寄▲7四銀で先手有望と言うことらしい。(以上週刊将棋より)

それにしても、馬を作れるのに、生角を打つ。実況中はまったく見えなかった妙手だ。
しかし、細い攻めをつないだ谷川九段にも好手が続出した。(88手目)△5九龍と寄った手、(104手目)△5三同金とと金を払った手、そして最後の(108手目)△6四歩と言う絶妙の歩打ち。玉の寄せ方は、やはり絶品だった。
(8月12日記)

ホームへ戻る/速報感想表紙へ