8月29日より、いよいよ、羽生王座と藤井竜王の王座戦が始まりました。
藤井システム対策最前線が、どのようなものになるのか、大いなる関心を持って見ていきたいと思います。
ただ、残念な事に、この王座戦は、ネットによる実況とかはないようです。棋譜は、次の日に日本経済新聞に載るので、それを見て、感想&解説をしていきたいと思います。なお、解説と言っても、あくまで私の見た「感想」と初心者向けのやさしい「解説」です。詳しくは、今度の週刊将棋を見て下さい。(2000/08/30記)
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先手が羽生王座、後手が藤井竜王です。 戦型は、当然のごとく、藤井竜王の四間飛車。 左図は、もっともオーソドックスな、藤井システムであり、対して、先手はここから▲5九角と指す。 ここから、普通に居飛車穴熊に組むなら、▲8八玉から、▲9八香、▲9九玉、▲8八銀と4手必要。しかし、後手は、攻めるのに、△4五歩から△6五歩あるいは、△8五桂と2手で攻めることが出来、3三の角道直射で攻められては、先手陣は持たない。 ということで、藤井システムに対し、様々な対策がとられる事になるわけだが、その一つが、本譜の、▲5九角から▲7七桂▲8九玉型にする、西田スペシャル風。 |
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西田スペシャルとは、だにいさん考案の藤井システム対策(ホームページはこちら)。もっとも、実際の西田スペシャルは、8八銀、7八金、7九金の形で玉を守るみたいで、本譜のように、7九銀と6七金の形ではないようだ(私はそれほど詳しくありません)。 実際、本譜より、西田スペシャルの方が、玉が固く、穴熊に近い。もっとも、その分、攻撃力に違いが出てくるのは否めないと思うが。 本譜は、後で実際に出現するが、△6九銀とかけられる手が急所になり、あまり固い囲いとは言えない。 |
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36手目、△1四歩と突いたところだが、この手を省略すると、先手から▲1五角と角交換に飛び出す手がある。角交換が必至となり、その後、振り飛車は、2筋を受けるため、飛車をまわらなければならないため、駒組にかなり制約を受けることになる。 そして、この後、先手▲2六角に、後手△8一玉。この8一玉が振り飛車工夫の一手。普通は、8二玉だが、この戦いでは、6五や7五が焦点になるのではないかと見た手だ。玉頭戦になった場合、玉は一路でも遠い方が響かないから。 但し、場合によると、8一玉型がたたる場合もあるので、どちらがいいかは一概に言えない。 |
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そして、▲6八銀引に△5四歩。 この5四歩も、指されてみれば当然だが、角が7一まで利いてくるだけに、ちょっと指しづらい手だ。 だが、これがこの後の構想の始まりだった。 続いて、▲3七桂△4四銀▲4八飛△5三銀▲5七銀△4四角 この△4四角が、ねらいの一手。普通は居飛車から角交換を迫るものだが、この陣形では、居飛車の方に角の打ち込み場所が多いことを見越した強手。 |
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角交換を強要されて、先手は攻める一手になっている。 △2七角と打ち込まれ、次に3六角成を見せられ、先手忙しい局面だ。 本譜は、▲4三歩△同飛▲2八飛から銀を犠牲に、飛車を成り込んだが、果たしてどうだったのか。 ▲4三歩△同飛に▲3二角と打ちたい気もする。 もっとも一目で写るこの手がかんばしくないと思ったから、2八へ飛車を回ったのだろうが、本譜の様に、銀損になっては、後手がややリードしたように感じる。 |
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そして、▲3二角に対する△3三飛が、激辛流の面目躍如。 ここ、△2四歩は▲4三角成△4六馬▲4四馬となり、駒割は五分、馬も急所に利いて、先手を持っているとは言え、玉型の差もあり、いい勝負のような気がする。 また、△4二飛は、▲2三飛成△4六馬(△3二飛▲同竜△4六馬)の後、2一の桂を手順に取られる。 ところが、3三飛と、この地点で飛車を取らせることにより、桂取りを未然に防いだのだ。 私が棋譜を並べていて、一番感心した手でもある。 |
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終盤に入り、△6九銀とかけたところでは、どうやら、藤井竜王が寄せきった感じがする。 と言っても、もし、実況で見ていたら、羽生王座が何を出すか、はらはらどきどきの場面ではある。 ただ、放置すると、△3五角が厳しいし、▲4二飛から4四の銀を取っても、やはり△3五角があるので、たぶん先手好転はしないのだろう。 本譜のように、▲6八金寄で受かるかどうかだが、△4九角がぴったりした攻め。次に、△6七角成▲同金△7九馬を見ている。こうした局面は、持ち駒に金駒がないと、受けきるのは、容易でない。 |
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▲5七金寄△同馬▲同金に△7六角成となり、ほぼ先手受けがなくなった。 ▲2二飛は、次に▲6一竜の必殺手を見たものだが、当然、△7一金と受ける。 日経に、「7一金が勝ちを読み切った決め手」とあったが、別にそれほどのものじゃないと思うがね^^; 「金なし将棋に受け手なし」になってしまった。 以下、▲7八歩に△9六歩▲1一竜△8七馬で投了。 |
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投了図は、ほとんど必死。つまり、何もしないと、次に△7八銀成▲同銀△8八金だし、▲8八歩も△9八金▲同香△同馬▲同玉△9七歩成▲8九玉△9八とまでの詰みとなる。また7一の金を取って、8八金は△9七歩成が今度は完全に受からなくなる(▲8七金は△9八金で詰み)。 さて、今回の王座戦第1局、棋譜を見ただけでは、藤井竜王の完勝と見える。 △4四角のぶっつけで局面をリードし、△3三飛でその差を広げた。そんな感じに受け取れるが、どうだったんでしょう。 第2局以降、羽生王座がどんな藤井システム対策を見せてくれるか、非常に楽しみです。 |