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王座戦第3局、感想&解説文

9月21日(木)、王座戦第3局が行われました。
今回、日経を買いそびれ、すぐに棋譜を並べられなかったのですが、けめ丸さんから、棋譜をいただき、並べてみました(ありがとうございました)。また、週刊将棋もすでに見ましたので、今回は、週刊将棋を取っていない人のために、ここに解説を載せたいと思います。(2000/09/25記)


実は、この第3局は、最初千日手になっています。
そして、これは指し直し局。と言うわけで、先手が藤井竜王、後手が羽生王座になっています。

左図は、第1局と全く同じです。
ここで、羽生王座は、第1局と同じく、△5一角とひきますが、藤井竜王は、▲4五歩。第1局では▲1四歩△同歩を入れて、▲4五歩と突いてますので、ここで変化しました。

ただ、週将によると、この局面(下図)一手前▲4四歩までは、14日に行われた、藤井−中原の順位戦と同じということです。

中原十段は、ここで△5三金と逃げたが、羽生王座は、▲4二金。

「藤井に改良手順があると読んだのか、羽生独自の研究があったのか、図で△4二金引はわずか2分の考慮だった。」(週刊将棋)

そして、▲3五歩△同歩▲6四歩△同角▲5六銀左△1九角成▲6三飛成で次図。


ここ、控室では、先手乗りの声が大勢を占めたらしい。(週刊将棋)

ただ、正直、私が並べていた時には、振り飛車成功というよりは、かなり難解、という感じを受けていた。

そして、この後、△3七馬▲4八金直に△7三馬。

単に、△7三馬と引くより、4八に逃げ道を封鎖して置く方が、のちのち利いてきそうだ。細かいことだが、有段者なら、当然の一手か。

左図は、△6三香に▲3五竜と回り、△3四歩の手筋から、△8六歩▲同歩△7五歩と羽生王座が反撃に移ったところ。

週将には、△7五歩が思いのほか速い攻めで、差がいっぺんに縮まった感じ、とある。

実際、藤井システムは、反撃が常に厳しい。特に、出し遅れの8筋の突き捨ては、美濃に入っている振り飛車なら手抜けるのだが、居玉では、とても手抜けない(だから、出し遅れではないわけだが)。
遅いように見える、△7五歩も、居玉だからこそ、速いと言える。


上図の後、これも手筋の▲6四歩の後、▲4三銀の打ち込み。
△7六歩▲5五角△8六飛▲8八歩に△6九香成▲4九玉△5五馬▲同銀となり、△2五角と打ったところ。

△6九香成に、タダだと言って、取ってしまうと、後々(あるいはすぐに)受けに窮することになる。こういうものは、よっぽどの事がない限り(たとえば、香が入ると、相手玉がすぐに寄りそうな場合とかがない限り)、逃げるもの。

私が並べていて、もっとも感心したのだが▲2五角。ここ、8八飛成くらいでは、振り飛車の方が良さそうだな、と思っていたのだが、この局面をしばらく眺めていると、非常に難解なことに気づいて、驚いた。

中盤の数手は予想が当たっていたが、このあたりの手は、ことごとく当たらなかった。
▲3八竜も感心したが、手筋の△3七歩に▲同金も驚いた。
そして、△7七歩成。なるほど!飛車は成らずに、六段目に利かしておくものですか。

このあたりは、相当難解だったらしい。
その後の手順は、▲3四歩△6八と▲3三歩成△同金右▲3四歩△5八と▲同銀。

そして、△4八歩と打ったのが左図。この手が敗着になった(週刊将棋)。
この手の代わりに、△6八成香で難しかったらしい。

さらに、上図から、▲同玉△3六歩▲3三歩成△同金に▲3六金!

ざっと並べてしまうと、見落としてしまいそうだが、よくよく考えると、この手もすごい手だ。△同飛は▲同竜△同角以下、後手玉が▲3四桂で詰んでしまう。本譜のように、△3六同角では、こちらが詰めろではないので、▲3四桂△1二玉▲3二歩と一手すきで勝ちという訳だ。

左図が、投了図。先手玉は詰まず、後手玉は、ほぼ必死なので、これはどうにもならない。
ちなみに、このままでは、▲2一角以下の詰めろ。△2一金とか受けても、▲3一歩成が次の▲2二金以下の詰めろで、しかも△同金も▲2二金以下の詰みとなってしまう。

棋譜を並べた限り、第3局は、仕掛けから、常に難解、終盤まで熱戦だった、という印象を持ったが、週刊将棋によると、▲6三飛成と成ったあたりでは、やや藤井竜王持ちで、そのリードを、ぎりぎり守りきった、という評価のようだ。

これで、藤井竜王の2勝1敗。王座戦は5番勝負なので、あと一つで、王座奪取。
カド番、羽生王座が第4局で、どんな将棋を見せてくれるか、これも楽しみ。

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