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王座戦第4局、感想文

10月4日(水)、王座戦第4局が行われました。
挑戦者藤井竜王の2勝1敗でむかえた本局、勝てば王座奪取でしたが、羽生王座が残し、2勝2敗の五分としました。
その熱戦を簡単に振り返って見ます。(2000/10/05記)


先手が羽生王座、後手が藤井竜王です。
過去3局は、いずれも、藤井システムに対する羽生王座の対策が焦点でしたが、今回は、急戦を取りました。

▲6八銀から▲3六歩が急戦の明示。
急戦を明示されれば、振り飛車側は、一目散に美濃に入る。



急戦もいろいろあるが、羽生王座は、4五歩早仕掛けを採用。

左図は、どの定跡本にも出てくる、典型的な形。
但し、もちろん、微妙な形の違いはある。たとえば、△1二香が上がっていたり、1筋が突いてあったり、▲6九金が上がっていたり、といったことで、その後の変化が変わってくる。

ここで、▲4五歩△3三銀▲4七銀が普通だが(それも一局)、羽生王座は、すぱっと▲2四飛。
これも、定跡の一つで、以下△同歩▲4三歩△同飛▲3二角△4二飛▲2一角成まで必然。



また、1一の香が、1一か、1二かによって、このあたり、先手の攻め方、後手の受け方共に、微妙に変わってくる。

藤井竜王は、△4一飛打と受け、▲3三桂に△5一飛と逃げる。そこで、左図の▲1五歩と一歩を手に入れにいく。

私も、振り飛車を持って、研究したことがあるが、いくら研究しても、この当たり、結論が出ず、互角としか言いようがない。


ただ、正直、一歩を手に入れるために、端を破れさせてくれるのは、振り飛車に取っては、ややありがたい感じもする。

左図は、▲5六銀と形良く立ったところ。
ここで、藤井竜王の指した次の5手が、常人には思いつかない(私だけか?)、藤井流の手順。
すなわち、△5三金▲2六角△2五歩▲1五角△6三金

この忙しい中盤で、自陣の整備に後手を引くとは。でもそれ以上に急所の角を追いやったことが大きいのだろう。


結局、8九の桂を取り、9一香と自陣を整備し、△6五桂と打ったところでは、振り飛車十分に見える。

というより、結果を知っているから、まだまだ大変なのかな、と考えてしまうが、もし、これが実況だったら、振り飛車大優勢、と言ってしまいそうだ。

自分が振り飛車側持ってたら、このあたりで、王座戦の賞金の使い道を考えるところだな(そう思う人間は勝てないんだろうが)。


だが、上の図から、羽生王座は▲9三歩!

「うぅ、あやしい!」なんだか、わけわからん、あやしい手だ(部分的には、9筋の攻めを緩和し、桂が入ると、9四桂、あるいは、9二からの打ち込みを狙いにした手だが)。

それでも、強く、△5四金で振り飛車指せそうに見える。しかし、この瞬間を狙った▲4二歩成から、左図▲6八金直で、残しているのだろうか?

王位戦第7局で見せた、羽生王座の懐の深さをここでも、見たような気がした。

▲9二香と打ち込まれてみると、攻めが妙に早い。

△4八歩成▲9一香成△9三桂。

9三の歩を払わざるを得ないようでは、逆転した感じだ(振り飛車が良かったとして、だが)。

いったい、どこで?・・・逆転したのだろう。


左図が、投了図。以下は簡単な即詰み。この二手前、▲5四桂には△6三玉と上がる方が、難しい詰みなので、練習にやってみて下さい(5四の金は5三にいた)。

しかし、これで、2勝2敗。
王座のタイトルは、最終局に託されることになった。

今までの棋譜を見る限り、勝負は全くの互角。最終局は、文字通り、目が離せない展開となった。


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