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竜王戦第三局

竜王戦第三局が始まりました。

戦型は、またしても、鈴木六段の力戦振り飛車。
3手目▲1六歩と様子見の手に対して、藤井竜王も△6二銀で態度を保留。その後、▲6八飛から、双方玉を移動したのが、左図。

特徴的なのは、何と言っても▲6六歩を保留したままの四間飛車。
いつでも後手から角交換され、乱戦に持ち込まれる手があるため(定跡から離れた戦いになるため)、このような将棋を力将棋(力戦型の将棋)といいます。
左図は、美濃に囲った後、あくまで角筋を止めずに、▲7五歩と突っ張ったところ。
序盤早々、予断を許さないところで、1日目の手数もあまり進まないのではないかと思われる。

ただ、ここまで振り飛車側に角道を止めずに、頑張られると、藤井竜王としても、穴熊には組みづらいと思う。
反面、△8五歩からの攻めに先手がどう対応していくのか興味深い。本来の立石流なら、6七の歩は、6五まで伸びているので、△8五歩にも簡単に対応できるが、この局面からうまく反撃できるのであろうか。
(11月4日午後1時記)
左図が、昼休までの局面。
やはり、藤井竜王は△8五歩から積極的に動いた。
変則的な、四間飛車だけに、本譜の進行はしかたのないところか(この順で悪ければ、▲7五歩が悪いという結論になりそうだ)。

この後、△8八角と打ち込む手も考えられた所だが、藤井竜王は、穏やかに△8四飛と引いた。
そして、△5五歩から△2四角。相変わらず、序盤から中盤へ移るときの構想がすばらしい。
△2四角と▲6六角の交換が入り、鈴木六段が、▲8八歩から一歩得をしている間に、6二の銀をするすると6五まで繰り出したところで1日目が終了した。
左図が、1日目の封じ手局面。
藤井竜王としては、歩切れではあるが、飛車角の働きに雲泥の差があり、またしても優勢になったと感じているはずだ。

BS放送によると、封じ手としては、角を逃げる手の他には、▲9五歩と▲7七桂が考えられるそうだ。
確かに、角を逃げるのは、△9四歩とされた後の先手の動きが難しい。
そこでおそらく、やむを得ない▲9五歩を選択し、次の▲9六飛から▲8六飛に期待をかけることになるのかもしれないが、そこまで竜王が待ってくれるほどやさしい(お人好し)とは考えられない。
またしても鈴木六段、苦戦だが、竜王の玉も薄く、1局目ほどの大差にはならないと思う(期待も込めて)。
(11月4日午後11時記)
2日目の封じ手は、▲8八角であった。

角が逃げるのは、この後飛角のさばきができないとダメだと思ったが、▲7九角から▲7七金がうまい陣形立て直しの繰り替えだった。

左図は、リンク先のねこじゃらしさんからもらった、BS中継までの局面。
5七で角銀の総交換が行われたところで、駒の損得はない。
藤井竜王に竜は作られたものの、△5三竜の後、▲8二角あたりから桂香を拾う手があり、竜王側も急がなければならない局面になっていると思う。
昨日の段階では、ちょっと悪いと思ったが、こうなってみるとだいぶ盛り返した感じだ。竜王がこの後どのような攻めを見せるのか、興味深い。
(11月5日午後1時記)
竜は、5三ではなく、5五に引いた。
▲6六金と、当たられながら出られる為、損なように思えるが、△5四角を打ちたいが為だ。
藤井竜王は、△9三香から△5四角と駒を一つも拾わせない。

左図が読売新聞にある昼休までの局面。
今、竜王が△5五銀と打って、鈴木六段が長考に沈んだところらしい。
▲3六銀で大駒を取る手が見えるだけに、お互い非常に怖いところだ。
5四の角が動けば、▲8一馬があるため、この攻めをしのげば、待望の一勝が上げられるかもしれない(形勢は互角になったと思う)。
今後は、9一の馬が使える展開になるかどうかが、勝敗を分けそうだ。
(11月5日午後3時半記)
午後5時24分、136手でまたも藤井竜王が勝利した。これで、三連勝、防衛に王手をかけた。

局面は、▲3六銀とすれば、ほぼ一直線に△7七竜までは行きそうだが、左図のように、▲5四馬と急所に馬を利かせることができては、逆転しているようにも見える。
しかし、この後の鈴木六段の▲6八金からの受けがどうだったのだろう。
将棋センターで初段くらいの人が指せば、「筋の悪い手だ」と言って忠告しそうな手だ。但し、羽生が指せば「筋悪の妙手」とか「しぶとい受け」とか言われて誉められるのかもしれないが・・・。
それでも、一進一退のまま、△4七香と打ったのが左の局面。
BSでは、この後の▲3九金が評判良くなかったらしい。ここは、▲9三角成ともたれていれば、まだ相当のようだ。

急所の△3六桂が入っては、振り飛車つらいだろう。ほとんどの場合、△3六桂と王手で打たれたり、飛ばれたりしたらダメとしたものだ。
しかもその後に△4八銀と食らいつかれては、もうほどけそうにない。

△7四角と△1四角が、プロらしい寄せ方。
図が投了図。
これはちょうどうちの「実戦の詰み」に出したいような局面だ。
すなわち、△2六桂以下、▲同歩△1九銀成▲1七玉△1八金▲2七玉△2八金▲1七玉△1八成銀までの9手詰。

第三局を通してみると、封じ手の所では、またしても竜王の完勝かと思ったのだが、▲7九角からの駒のさばきがうまく一時は逆転模様だったと思う。しかし再度▲6八金あたりから受けを誤ったのではないだろうか。
全体としては第二局と同じような流れであった。
これで奪取はほぼ絶望的になったが、私としては、相振りと相穴熊をもう一局ずつ見たいと願っている。
(11月5日午後10時記)


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