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竜王戦第2局、速報感想&解説文

ここでは、竜王戦第2局(11月1日2日)の竜王戦速報解説をしていきたいと思います。

なお、このページは、読売HPの記事及びBS放送を見てからの更新となりますので、予定では、1日目は午前10時、12時、午後2時、6時過ぎ、2日目は、午前10時、12時、午後2時過ぎに更新し、2日目午後4時〜6時は、随時更新していく予定です。
また、このページは、2度目以降に見るとき、古い状態のものが呼び出されることが良くあるようなので、念のため、ブラウザの更新ボタンを押してみて下さい。(2000/11/01AM10:00)


今回は、先手が羽生五冠、後手が藤井竜王です。

左図は、BS放送中継までの局面。先手が羽生五冠ということもあり、この第2局は、もっともオーソドックスな居飛車対四間飛車の対抗形になりました。
藤井システムの特徴である、早い時期の端歩(△9四歩)に対して、羽生五冠は、▲7八玉と端歩を受けない。
これで、居飛車穴熊模様が濃厚になったものの、まだこの段階では、振り飛車側の陣形によっては、急戦もあり得るところ。
藤井システムが後手なので、居飛車穴熊模様で振り飛車からの急戦も十分対抗できると見て、組み合うか、あるいは、西田スペシャル(ミレニアム又はトーチカ囲いとも言われる)にするか、急戦を取るか、これからの羽生五冠の方針が注目されるところ。
(1日午前10時記)
  第1局は、読売新聞HPに、昼間2回くらい棋譜が載ったのですが、今回は載っていませんね。
羽生五冠が▲3六歩から▲4六銀と出た、ということだけ分かっていますので、急戦策を取ったと思われますが、1日目は、仕掛けの前後まででしょう。
時々、読売HPをチェックしますが、たぶん、次回、更新は、衛星放送後(6時半頃)ということになりそうです。(1日午後2時半記)
上図より、▲5八金右と上がり、さらに▲9六歩と突いた。
藤井竜王が△9五歩と突き越せば、当然この▲9六歩もないわけだが、後手番の上に、さらに端に二手かけるということで、突き越しはしなかったのだろう。
端歩と受けたということで、居飛車穴熊の可能性が、少し減った、ということで、こんどは、△6二玉と上がる。
すると、▲5七銀。この銀も序盤の駆け引きで現れたかなり微妙な手だ。
一般的には、6八に左銀がいる形で、5七に左銀が上がると急戦、右銀が上がると持久戦と言われるので、この銀の形は、本質的には持久戦のもの。
だから、△6四歩と突く。ここでは、△7一玉が自然な手に見えるが、それだと、▲7七角から居飛車穴熊に囲われた場合、振り飛車が後手なので急戦をしにくくなる可能性があるわけ。
その△6四歩を見て、羽生五冠が動く。▲3六歩から▲4六銀。はっきり急戦を明示した。
急戦の場合は、本当なら左銀を活用する方が優秀だ。ただ最初から左銀で行くと、振り飛車は、△6四歩とは突かないで、もっと急戦に対応しやすい形で待つことになる。
振り飛車の△6四歩は、本来なら、急戦には向かない待ち方(角交換の後の、△6四角が打てないため)なので、それを5七銀右で、誘っておいて、急戦策を取る。
なかなか簡単には説明できない、序盤の駆け引きがあった。

ただ、左図。この局面がおそらく封じ手局面だと思われるが、△6四歩が突いてあるマイナスはあるものの、先手の急戦もあまり理想的とは言えず、個人的には振り飛車を持ってみたい感じがする(振り飛車党なので)。
封じ手は、普通に考えるなら、△5二金左。衛星放送でも、この手と、それ以外の手として、△4二金と△1二香を上げていたが、確かにそれ以外の手は考えづらいところだ。
これから、羽生五冠がどのように踏み込んでいくのか、2日目は最初から面白い戦いになりそうだ。
(1日午後6時10分記)

封じ手は、△1三香
ちょっと意外だった。ただ、考えられない手ではなく、実際昨日、この手と、△5四歩△7四歩も書いておこうかと思った程だが、現実的に△1二香との比較では、△1二香の方が良さそうなので、書かなかった。
△1二香も△1三香も、その手の意味としては、8八の角が1一に成った時、から成りにするためのものであるが、その違いはどこにあるかというと、それぞれに長所と短所がある。
△1二香にしておけば、▲2二歩と打たれた時、△1三桂と跳ねられるし、また△2二角から△1三角とのぞく手もある。
△1三香の利点としては、飛車を成り込まれて、香を取られる時、1二より1三の方が、竜の働きが悪くなること、場合によると△1五歩▲同歩△1二飛の攻めを見せること等が上げられる。
短所は、もちろんこの反対のことが上げられる他、△1二香は、角成の後、一手で取られる短所があり、△1三香は、▲2五桂の時逃げる場所がなく、桂香交換が必至になるということもある。ただ、一般的に言えば、△1二香とする方がやや得になる局面が多いといえる。

しかし、その局面その局面で、微妙に違うのが将棋。藤井竜王の読みの中では、この局面では、△1三香の方が得、と判断したという訳である。

2日目10時、衛星放送までの局面。
▲3四歩の取り込みから▲3五歩と打ち、銀の立て替えを計ったところ。
ここでは、一気に▲3八飛から攻める手もあるが、羽生五冠は、銀の立て直しを選んだ。
この後は、▲3六銀から▲4六歩▲4五歩の形を目指して先手は指していくことになる。
放送で福崎八段の解説でもあったが、振り飛車側が、この後どのように待つかが問題。△5二金左から、居飛車の攻めを待つのか、すぐに△3四歩として、居飛車に攻めの形を作らせないで動くのか、作戦の岐路である。
そして、待った方がいいか、動いた方がいいか、それは今日の封じ手△1三香も影響している微妙な問題である。ここ数手は、序盤巧者である藤井竜王の指し手に注目したい。
(2日午前10時30分記)

読売HPにあった局面。
△5二金左は普通の待ち方だが、▲3六銀に△1二飛。これは、当然次の△1五歩からの攻めを狙ったものだが、実際に成立することは比較的少ないので、驚きの攻撃だった。
要するに攻めとしては、一番遠い、1筋なので、その間に4筋等から攻められ、緩手になる場合があるからだ。ただ、1筋からの攻めを見させて、あせらせて、攻めを誘う、ということはある。
このまま単純に1筋が突破できることはないと思うが、羽生五冠がこれに対して、どのような反撃を見せるのかが問題だ。
それにしても、この端攻めを行うための、△1三香とは思わなかった。

実際の局面は、もっと進んでいるはずだ。どうなっているのだろう?・・・衛星放送が始まる。
(2日午後4時記)

上図より、2筋を突き捨て、▲4五歩に△1六歩と取り込んだ。
そして、驚くべき手順は、▲4四歩に△1七歩成と攻め合いに行ったこと。

当然、この踏み込みは、1三香と上がった局面からの読みの一つであるだろが、それにしても、次の▲4三歩成から、単純に二枚替えになるだけに、普通なら踏み込まない手順だと思う。

それをあえて踏み込みに行った(1二飛と回らないで待つ手もあったので)藤井竜王の読みが、どの位正確であったかが、問題だ。
そして、この後、さらにすごい殴り合いになった。

上図、△1七歩成と成れば、▲4三歩成からは一直線。
ただ、▲5二とはすぐに取らず、一旦▲3四角とためた。
そして、△4九飛を待ち、▲5二とと取る。左図はそれに対して、△5二同飛とと金を取ったところ。

この局面は、単純に二枚替えで、先手駒得。
ただ、3六銀がやや遊び駒になっていること。後手が先手になっていること(6九金を守らなければならないので)、などを考慮すると、結構いい勝負かもしれない。
それでも、「駒得は裏切らない」ので、1七歩成からの攻めでは、やや先手を持ちたい感じはするが・・・。

左図は、5時現在の局面。
羽生五冠が寄せきるか、藤井竜王がしのげるか、という局面だ。
難解な形勢が続いている(衛星放送の解説)
(2日午後5時記)

これより、▲6二銀△4四角▲5五歩△6二金▲同竜△7二銀▲6一金△5四歩▲4二竜△5三銀▲3一竜と進んでいる。
▲6二銀から▲6一金の筋が厳しく、先手良しかと思いきや、△4四角が絶妙。これでぎりぎりしのいでいるか?
藤井竜王の受けがしぶとく、攻めがちょっととん挫した感じがするが・・・。

「まだまだ大変だが、やや振り飛車が戻した感じ」(福崎八段)
(2日午後5時45分記)

6時、衛星放送に入った局面。

寄せきるかと思われた、羽生五冠であったが、△4四角のしぶとい受けに、攻めが一旦とん挫した。

ここでは、解説でもあったが、次に△4一歩とか△6一銀とか受けに手を戻せば、まだ当分後手玉は寄らない。
藤井竜王が優勢になったのではないだろうか。

次回は、棋譜より先に、読売新聞の速報で、どちらが勝ったか、結果を知ることになると思う。
(2日午後6時10分記)

羽生五冠が125手で勝利した。

上図の局面は、攻めを受け止めて、やや振り飛車良くなったと思ったのだが、ここからの羽生五冠の容易に崩れない指し回しがひかった。

上図より終局まで、ざっと柿木上で並べただけなので、正直なにがどうなっているのかよく分かりません。非常に難解な終盤戦です。また、棋譜は読売HPにあります。

左図は、▲2一竜と桂を拾って、▲6六桂と攻防に打ったところ。4一歩を守っている角を攻めつつ、5五の角の筋を消すたいへん味の良い桂打ち。

それにしても、頑強に抵抗する藤井竜王に、上図3五の歩を▲3四歩と延ばして活用する手が間に合うとは!
先手玉も固いので、そういう歩が間に合うと読む、その距離感がすごいと思う。

終盤40数手は、どちらにも勝ちがありそうな、ねじり合いだった。
左図▲7一金と打たれては、ちょっと後手まずそうにも見えるが、あれほど固かった先手玉も、かなりあぶない形になっているので、やはりぎりぎりだ(結果を知っているから、まずいと見えるだけで、知らなかったら、どっちが勝っているのだろうと、クビをひねっているところだ)。
左図が投了図の▲7二銀まで。
以下は、△6二玉の一手に、▲7四桂打△同歩▲同桂まで。

本局、読売HPの羽生五冠の話に「4筋からの攻めは良くなかった」とあるので、藤井竜王の△1二飛からの構想は成功しているのかもしれない。
しかし、途中は羽生五冠の方が良くなったようにも見えるので、いったいどこで良くなったのだろうと疑問はあるが。
それを再度、△4四角の攻防で流れを藤井竜王が引き寄せたかに見えたが、その後も、容易に崩れない「強い羽生」の指し回しが光った一局だった。
序盤から終盤まで、二転三転した大熱戦だったと言えそうだ。
(2日午後11時記)

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