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竜王戦第3局、速報感想&解説文

ここでは、速報ページとBSを見ながら、感想を入れていきますが、更新予定は、1日目(11月28日)は午前10時過ぎ、6時過ぎ、2日目(11月29日)は、11時過ぎから終局まで随時更新していく予定です。
(BS放送は、28日9:00〜10:00、17:00〜18:00、29日10:00〜10:45、16:00〜18:00、23:45〜24:00(予定))

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第3局は、先手が羽生竜王、後手が阿部七段である。

左図は、10時、BS放送終了局面。
初手、羽生竜王の▲7六歩に対し第2局、羽生竜王が指したように阿部七段も△8四歩と突いた。この一手は、先手に矢倉か角換わりを選択させる手なのだが、金上がりの交換後、阿部七段が△3四歩と突いたことにより、横歩取りの戦型に戻った。
結局、戦型は横歩取りだが、序盤から微妙な駆け引きが行われ、進んでいくことになった。

個人的には、横歩取りを予想していた羽生竜王の通りになり、今回は横歩ではない戦型で行こうとしていた阿部七段が気おされた感じがする。
もっとも、横歩取りは阿部七段の得意戦法なので、このことが勝敗に影響するとは思えないが。
(28日午前10時20分記)
1日目終了局面。

手順としては、△7四歩を早めに突いたり、最新の手順で横歩取りが進んで行ったが、行き着いた先は、8五飛戦法が登場した当時からある、もっとも基本的な形に落ち着いた。

5時にBS放送が始まった時(△7五歩を突く前)には、解説の島八段が、「実戦の多い形で、先手の勝率がかなり良かったと思う」と言っていた。
また、この形は、あの中座五段の「横歩取り△8五飛戦法」の本にも載っている。そして、その本では、(ここで)▲3五歩と突けば、先手指しやすいと解説している(但し、手順は違う)。

解説では、形勢互角と言っているが、状況証拠では、先手早くも指しやすいのだろうか?この形から後手番で阿部七段が一勝を返せば、この竜王戦は、まだまだ面白くなりそうだが。
(28日午後6時20分記)
2日目10時45分、BS放送終了局面。

封じ手は大方の予想通り▲3五歩。これに対して、阿部七段は、△2四歩と打つ。ここは、△2三歩も△2五歩もあるところ(島八段)。
▲3五歩は飛車の利きを通し、▲7六飛の一歩取りを見た味の良い手だが、すぐに取ると、角交換後の△6五角(飛金両取り)でまずい。そこで、一旦▲4七銀と上がる。今度は歩を取られるので、後手も△7五飛と守った、と言う訳だ。
そこで現時点の▲3六飛。この手は一目良い手に見える(島八段)。将棋は本来、「攻めは飛角銀桂、守りは金銀三枚」が理想なのだが、横歩取り8五飛は攻めの銀を守りに使うことが多い。今の局面も、攻めは飛角桂だけで、普通に考えるなら、攻めきるのは大変なのだが、横歩取り8五飛に関して言えば、先手の陣形によっては、攻めきれる場合も多い。
図では、△7七歩成が有力(BS解説、勝浦九段、島八段)。後手が攻め、先手が受ける展開になった。
(29日午後11時記)
2日目午後2時の局面(2時前から20分現在、長考中の模様)

上図より阿部七段は△7七歩成ではなく、単に△6五桂とはねた。いずれにしても、上の局面からは、後手は攻める一手だ。△7七歩成と△6五桂、どちらが攻めがつながるか、と言うところ。
対して、受け方はいろいろあるように見えるが、羽生竜王は、▲3三角成から▲3四歩!反撃含みの強い一手だ。単純に△7七歩成と成られてはまずいので、一旦は▲6六角のように受けるのかと思っていたが。
そして図の△3五歩!△3四歩の利かしが入るのでは(△2二銀と引く)、勝てないと見て、△3五歩の反撃。ここで長考中だが、応手が難しい。
▲3三歩成△3六歩▲3二との二枚替え。▲3五同飛△4四銀に▲同歩△5七桂成▲同玉△3五飛の変化、▲4四同歩で▲3六飛と引く変化、単に▲2六飛あるいは▲5六飛など逃げる変化。
アマチュアの大会で時間がないと、いくつかを比較検討して、数手後の形勢判断をし、指し手を決めるが、プロで持ち時間のある将棋では、(変化によっては)詰みまで読んでいる局面だ。対局者はもう、有利不利を自認していると思うが、どちらが読み勝っているのかまったく分からない。
(29日午後2時30分記)
午後4時20分の局面。

午後4時からBSが始まった。始まった直後は、左図の3手前(▲7五歩)だったが、その段階での島八段の話した感じでは、阿部七段が攻勢を取りつつあり、やや指しやすそうとのことだ。その後、△5四飛に▲5五香。この香も、「打たされた感じのする」香とのこと。

実際、仮に△6四飛と逃げても、▲5三香成とは成りづらい(△同銀▲同飛成に△5二香と打たれる)。
また、解説でもやっていたが、△4五桂が極めて味の良い手で、先手もかなり急がしそうだ。
数手前、羽生竜王の▲1一角成に対して、△3三角と馬を消したため、現在羽生竜王の香得にはなっているが、「香得でも桂馬を使われると有利にならないことが横歩取りではしばしばある」(島八段)らしい。香得より、△6五桂の働きがまさると言うこと。
確かに解説を聞いていると、阿部七段の方にばかりいい手があるように思えるが・・・。
(29日午後4時30分記)
午後6時、BS放送終了の局面。

上図から、△6四飛に一旦は、▲6八銀と守ったが、△8八歩を利かし、△4五桂とこちらの桂もさばいて、後手調子良さそう。しかし、次の▲5三香成はかなり驚いた。一目、△同銀▲同飛成△5二香で先手全然ダメそうに思えたからだが(BSの解説でも最初、この変化をやっていた)、実際は、△同銀なら▲4五桂が入り、相当難しいか先手有望。そこで、△5五歩と打ったのが、現局面。
当然、▲同飛の一手かと思えるのだが(▲4五桂は△5六歩でダメなのは解説でもやっていたしその通りだと思う)、羽生竜王が、持ち時間が少ないにもかかわらず長考しているのは何かあるのだろうか?
終盤、最後の勝負所だ。「勝ち筋は後手の方がたくさんありそう」(BS解説)とのことで、ついに一勝を返すことができるか。
(29日午後6時10分記)
午後6時30分の局面。

BSが終わったら、持ち時間もないようで、急に局面が動き始めた。

上図、▲5五飛に△5七桂左成と先に捨てるのがうまい一手で、BS解説では▲4五桂を幸便に取れれば、先手もやれそうだったのだが、その一手を入れさせなかった。

以下は、△5四香が痛打で、後手優勢。今、△7五飛と逃げたところだが、ようやく一勝を返したと思う。

(29日午後6時35分記)

88手で羽生竜王投了。左図が、投了図。
投了図は、詰まない(と思う)が、5三の成香を王手で抜かれ、先手に勝ち味がない。

午後6時の段階では、後手が良いとは言え、まだ大変かと思っていたが、華麗な手順で、羽生竜王の反撃を押さえきった。
封じ手の局面では、先手も十分そうに見えたが、▲3三角成から▲3四歩の強きの対応がどうだったのだろう?△3五歩と反撃されて、後手も面白くなったように見える。

この辺りの局面から、終盤、先手にはチャンスがなかったのかどうか、また週刊将棋で、違っている箇所があったら、追記しておきたい。

(29日午後7時10分記)
週刊将棋を見ての追加分。

第2図の36手目△7六歩辺りまでは、以前出版された本にもある基本形だが、最新形でもあるらしい(見直されることは良くある)。したがって、▲3五歩の段階では互角。その後、実戦は38手目△2四歩だが、これが阿部七段の工夫でほとんどの実戦例は、△2三歩。△2四歩はやや損ではないかと思われていたらしいが、今回の実戦で、また評価が変わるかもしれない。

問題だったのは、やはり、羽生竜王の強きの▲3三角成から▲3四歩だった。「銀取りに突き出したこの手が『まずかったですね』と羽生を嘆かせた」(週刊将棋)。また、島八段も「△3五歩以降は羽生さんが良くなる順はなかったと思います」と語っている。

46手目の△3五歩が、阿部七段強気の返し技で、これで局面を、有利にしてから、最後まで正確に読み切った、会心の一局だったようだ。

なお、投了図は、難解ながら詰みがある模様。
「投了図から▲5五玉に△5三飛と手順に成香を抜かれて後手玉に寄りつきがなく先手望みがない。以下▲5四歩△4四銀▲4六玉△4五香と追って長手順ながら詰んでいる」(週刊将棋より)
(12月2日追記)

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