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将棋に関するミニ感想
2003年12月
11月17日、将棋連盟より、「将棋ガイドブック」なる本が出版された。本屋で中を見たところ、一目、良さそうな本だったので、すぐに買ってきて、ここ2週間、じっくり読んでいた。
そこで、ここでは、その紹介も兼ねて感想を書いてみたいと思う。
まず、この本、単行本の大きさで、207ページある。文字は比較的小さいので、情報量は、ぎっしりと言った感じだ。
目次をここに載せておこう。
- まえがき・・・2ページ(書かれているページの分量)
- 第一章 総則 (将棋説明・基本ルール)・・・10ページ
- 第二章 将棋用具・・・8ページ
- 第三章 将棋ルール (ルール説明の前に・駒の名称とその動き方・駒の動きと符号・ゲームの進め方・対局マナーと常識)・・・26ページ
- 第四章 棋譜 (棋譜の表記法)・・・10ページ
- 第五章 大会運営 (対戦方式・持ち時間制・宣言法と助言)・・・13ページ
- 第六章 プロ棋士対局規定・・・13ページ
- 第七章 将棋の歴史 (起源から戦後の新しい幕開け・家元三家系図・棋士系統図・棋士番号)・・・12ページ
- 第八章 写真で見る将棋博物館・・・10ページ
- 第九章 将棋用語と基礎知識・・・50ページ
- 第十章 将棋雑学・・・14ページ
- 第十一章 社団法人 日本将棋連盟 概要・・・31ページ
第一章 総則
最初は、将棋の説明から始まる。将棋盤や、駒、チェスクロックなどを写真入りで紹介し、その後に、将棋の基本ルールの説明がある。
第三章の駒の動き方の説明もそうだが、将棋の入門者が読む本ではないので、ここまで必要かな、との感想は持ったが、ページ数をそれほど割いている訳でもないので、まあ仕方ないのかな、と言った感じだ。
第二章 将棋用具
将棋盤や駒について、基本的な知識が要領よくまとめられている。僅か数ページに過ぎないが、この本の中でも、有用なページだと思う。
第三章 将棋ルール
駒の名称、動かし方、符号から、打ち歩詰めや千日手の説明などが、丁寧に解説されている。ただ、先ほども言ったように、この本を買う人たちが、大会運営者など、将棋に携わっている人たちなら、ここまで細かく書かなくても良かったのでは、と感じた。
第四章 棋譜
第四章は、棋譜の書き方についてだ。連盟のサイトにも、載っているが、正式に棋譜の書き方がまとめられているのは、なかなか良いと思う。ただ、ここまで書いたのなら、略字も一緒に載せて置いて欲しかった。
第五章 大会運営
この本の中心的事柄だと思う。特に、大会運営者にとっては、必読書だ。スイス式トーナメントの正確な点数の算出方法から、持ち時間制、入玉将棋の宣言法についても、詳しく解説されている。
実は以前、ずいぶん前のことになるが、大会へ出ていた時、一つ疑問に思っていたことがあった。それは、チェスクロックを使う切れ負けで、詰んだ瞬間に切れたら、どちらが勝ちかと言うことだ。このことを当時、大会の責任者に聞いたことがあったが、明確な答えはもらえなかった。
その後、大会へは出なくなってしまった上、将棋センターでも、切れ負けの試合をすることがなく、すっかり忘れていたが、この疑問の答えが、この本には載っていた。
すなわち、優先順位は、「反則負け→時間切れ負け→詰み負け」の順と言うことらしい。また、その説明も、明確に書かれており、納得出来るものである。こうした、大会運営上のことが、きちんと取り決められて書面になっているのは、大変意義のあることだと思う。
チェスクロック使用の注意点が、詳しく書かれている後には、宣言法についての説明がある。
ところで、宣言法って、私が大会に出ている時には、なかったものだ。数年前、初めてネットで聞いた時、「何これ?メチャメチャ分かりづらいじゃない。」って思ったものだが、一般的な評価ってどうなのでしょう?
この本で、入玉将棋の矛盾を解消するための方法として採用されていると言うことを知ったが、それにしても複雑怪奇だ。持時間が切れるかどうかの最中に、正確に宣言できるのだろうか、と思う。(←まあ、実際に使ったことのない人の感想ですが)
「ルールは、簡便な程良い。」と言うのが、私の持論だ。そう言う意味では、トライルールって、優秀なんですけどねぇ。。。(ぶつぶつ)
第六章 プロ棋士対局規定
以前、将棋世界の付録にあったものを載せたようだ。対局規定を書面で、公開することには、大きな意義があると思う。
これもかなり前のことだが、連盟のサイトを見ていて、非常に驚いたことがある。
それは、「質問とお答え」の中から、反則の項目を見ていた時のことである。そこには、「対局者以外の第三者も反則を指摘することができる」と書いてあったのだ。
私は、今まで、ずうーーーーーと、反則を観戦者が指摘するのも、助言の一つだと考えていた。このことは、大会では当然の事として、将棋センター内でさえも、二歩を打っても、観戦者は、黙っていることが多い。
もちろん、良く知り合った初二段同士の将棋では、観戦している一人が、「おい、それは二歩だよ!」と言って、「おお、そうか、そうか」と言いつつ、指した本人が「待った」をする光景は、見ることもある。
しかし、ほとんどの場合、観戦している誰も、反則を指摘することもなく、対局者のどちらかが、気づくまで、試合は進行する。こうした試合の進行が、私は長い間当然だと思っていたのだが・・・。
「第3章 対局の進行」の中の「第8条 反則」の中の第5項にはこのように書かれている。
「対局者以外の第三者も反則を指摘することができる。」
また、第五章の「大会運営」の中にも、助言の項目の中にこのように書かれている。
「観戦者は助言をしてはならない。基本的には、対局者同士で解決するもので、対局者の片方が反則、時間切れ、押し忘れを指摘するのは全く問題はない。またプロ棋士など、その大会の審判官が指摘するのも審判の役割なのだから助言には当たらない。」
うーむ。これを見る限り、私が、将棋センター内で、反則を指摘するのは、問題なさそうだな、とは思ったが・・・。
まあ、もうすでに浸透してしまっているルールを今さら変えるのも、返って混乱するかな、と言うことで、たぶん、何もしない。
それにしても、この反則の第5項だけは、大いなる驚きだった。
第七章 将棋の歴史
1596年からの略年表の他、家元の家系図、棋士系統図、棋士番号などが載せられている。僅か12ページしかなく、もう少し詳しく解説しても良かったのでは、と感じた。
第八章 写真で見る将棋博物館
昔の将棋会館の写真から、大将棋、中将棋などの写真が載せられている。説明も、少しずつ載っているが、やはり全部で10ページと、とにかく少ないのが不満だ。
第九章 将棋用語と基礎知識
ページ数を見てもらえば分かるが、全ての章の中で、この第九章が、50ページと最も多い。将棋用語が、「あ」から順に紹介されているだけだが、全部で730語以上ある。力作と言っても良い。
ご存じかとも思うが、この「将棋タウン」にも、「将棋用語集」がある。
この将棋用語集、出来上がりを見れば、大して時間がかかっていないのでは、と思われるかもしれないが、実は、この将棋タウンの中で、最も作るのに苦労したコンテンツである。さらに、この将棋タウンの中で、唯一、他人の手を借りて作ったものでもある。
3年位前に「将棋用語集」を作ろうと考えて、最初に、まず、将棋用語の抽出から始めた。この抽出だけでも、かなり時間がかかったのだが、普段使っている言葉を定義するのに、また一苦労だった。結局、途中何度も挫折しながら、2年位かかって作り上げた将棋タウンの「将棋用語集」だが、単語は、230ヶくらいしかない。「詰将棋用語集」の150ヶを加えても、約380ヶに過ぎないのだ。
もちろん、将棋入門に出てくるような基本語は除いてあるし、戦法なども意識的に除いてあるので、一概に比較は出来ないのだが、それでも、この本にある730語は圧巻である。しかも内容も、非常に詳しく、分かりやすく書かれている。
今まで、こういった用語集が、なかったことの方が不思議だが、これからは、この用語集が、言葉の基本となるのではないか、と思う。
第十章 将棋雑学
Q&A方式を取りながら、雑学が、14ページに渡って書かれているだけだ。こういった内容は、まだかなりたくさんあると思われるので、もっとページ数を割いて欲しかったと思う。
第十一章 社団法人 日本将棋連盟 概要
連盟についての概要から、将棋全般について様々な情報が載せられている。
この中の一つに、免状の読み方と、意味が書かれている。実は、自分も免状が将棋センターに飾ってあるのだが(^^;正確な読み方と意味を深く考えたことはなかった。ここには、初段から六段まで、全ての読み方と意味が書かれていて、初めて正確に知った。
それにしても、写真入りにしてまで、免状のことが紹介されているのに、段位の取り方が載せられていないのは、なぜ?
さて、以上が、私の感想を入れた「将棋ガイドブック」の紹介である。
なんか読み返すと、細かい不満がいっぱいあるようにも受けとられてしまいそうだが、全体的な感想を言うなら、この本はかなり良い!将棋連盟としては、久々の”打点付き三塁打”と言っておきたい。
でも、一般の将棋ユーザーが買うような本ではない。大会運営者や、将棋普及指導員、将棋道場など、将棋に携わっている人たちが持っていたい本である。
そう言う意味からすると、この1400円と言う値段はどうなのだろう?こういった内容は、ネットで公開するとか、無料で、普及している人たちに配ってもおかしくないような気がするのだが。
まあ、財政事情もあるだろうから仕方ないのかもしれないが、できるだけ、この本を広めるという意味でも、この値段が唯一のネックと言えるのかもしれない。
最後に、後々改訂もするらしいので、一つだけ不満を言っておきたい。それは、すでに今までにも書いてきたことだが、「大会運営」「将棋の歴史」「将棋雑学」等のページが少な過ぎると言うことだ。歴史や雑学がもっと多量になるなら、一般の人たちにも勧められると思うので、これらのページをもっと増やし、全部で、今の1.5倍くらいの厚さにして、値段も据え置きにして欲しいと言うのが希望・・・。
それが無理なら、上下巻二冊にしても良いんじゃないかな、と思うのだが。で、値段が安ければ、本当に、”ホームラン”!
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