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玉の格言

ここでは玉の格言を説明します。玉の格言はやはり、「寄せ」る為のものが主流を占めています。この格言で玉の捕まえ方を勉強しましょう。

玉は包むように寄せよ/王手は追う手

図面寄せ方の基本です。
左図は、どう指したら良いでしょう。


簡単ですよね。ここでは、▲1二金が、この一手とも言うべき絶対の手です。でも実戦だと案外、▲4一金△2二玉▲4二と、という風に追ってしまうかもしれません。
「玉は包むように寄せよ」とは、こういう風に両方から、あるいは上下から挟み撃ちにすることを言います。
「王手は追う手」と言うのも、これと同じ意味ですね。▲4一金と王手をしてしまうと、駒がいくらあっても捕まりません。

玉は下段に落とせ/中段玉は寄せにくし

図面この格言も、玉を捕まえる為の基本です。
さて、左図の次の一手は?


ここでは、▲2四飛が好手です。△2三歩と合駒されても、▲2一飛成△同玉▲2三飛成△2二金合▲3二金までの詰みとなります。
このように、玉を寄せる時は、下段(一段二段)に落とすことが有力なのです。
もっとも飛車を持っていない場合、▲2三歩とたたくことも良くある手筋ではあります。でも玉の上部が厚い(3五の金とか玉側の駒がいる場合)時には、やはり玉は下段に落とさないと捕まえるのは大変です。
ですから、「中段玉は寄せにくし」と言うのも、全く同じことを言っている訳ですね。

桂頭の玉寄せにくし

図面左の局面は、今▲2五桂に△2四玉と上がったところです。この王様は、次に△2六飛成とされ、もう捕まりません。
意外にこういう桂を打ってしまう人がいるので、この格言をかみしめておきましょう。この一手前は、2二銀打とすれば、詰んでいたところです(3月26日付け実戦の詰み)。
しかし、もし詰みが発見できなかったとしても、▲2二銀△1二玉の形の方が、この左図の形よりはるかに寄せ易いということは納得してもらえるでしょう。
但し、△4四銀も△2九飛も▲2六歩もないような場合、▲2五桂△2四玉に▲2六金と打ってしばるような手も良く出てきます。桂を打って寄せ易いかどうか、その場面ごとによく考えることが必要ですね。

玉の腹から銀を打て

図面この格言も玉を捕まえるための手筋を言い表しています。
左図、次の一手は何でしょう?


当然、▲3二銀ですね。間違っても▲3二金と打ってしまわないように。▲3二銀と打てば、必死です。馬(角)と銀の組み合わせは良く出てきますが、それ以外に竜との組み合わせも時々出ますので、この格言を覚えておきましょう。

端玉には端歩

図面端玉とは、1筋か9筋にいる玉のことです。
端玉には、端歩を突く攻めが厳しいものとなります。
左図、どう攻めますか?


ここは格言通り、▲1五歩が厳しい攻めです。△同歩なら▲1四歩△同玉▲2五金△1三玉▲1五香までの詰みになります。
端から攻めてかえって玉を逃がしてしまう場合も、ままありますが、ほとんどの場合は、端歩が厳しい攻めです。

玉の早逃げ八手の得/居玉はさけよ

図面最初の局面を使いましょう。ここで、▲1二金と打てば必死でした。
では、ここで後手の手番だったらどうすればいいでしょう。


当然、△2二玉の早逃げです。これでもう、この玉は捕まりません。
でも、実際に玉の早逃げをうまく使うのは難しいものです。実際の場面で使えるようになれば、すでに有段者といっていいでしょう。
プロや有段者の対局を見ていて、玉が早逃げするのを見て感心したら、今度はいつかやってみて下さい。
「居玉はさけよ」も玉を寄せにくくすると言う意味では同じようなものです。居玉とは、最初に並べた時の位置である5九(5一)のことで、そのまま一度も動かさないことを言います。居玉は攻められるともろく、すぐ寄ってしまいます。
もっとも最近は、「藤井システム」なるものが出て、この格言も通用しなくなった、という話もありますが、級位者のうちは、この格言に従ったほうが良さそうです。

初王手目の薬

最後のこの格言は、覚える必要はないでしょう。
王手は、目の薬くらいのもので、大したものではない、という意味です。王手をしたからと言って、対局になんら影響を与えるものではありませんからね。

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