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飛角の格言

ここでは大駒である飛車と角の格言を見ていきましょう。その使い方や、駒の特質など、覚えておけば役に立つ格言がたくさんあります。

飛車は十字に使え

図面飛車の基本的な使い方です。
図で、▲2四歩△同歩▲同飛と走ってしまうのは、△2三歩▲2五飛に銀を逃げられてしまいます。


ここは、▲2四歩△同歩▲2五歩の継ぎ歩が正解。これで、放って置けば▲2四歩の取り込みが厳しく、△同歩は▲同飛で、銀取りと、▲2三歩(又は▲2四歩)が見合いで、両方を同時に受けることはできません。
このように、飛車は縦と横、両方に自在に動けるわけですから、十字に使うことが大切です。

飛車先の歩交換三つの得あり

図面左の図面は、先手の▲2五歩に△3二金としたところです。序盤早々ですが、次は当然の一手です。


ここは、▲2四歩△同歩▲同飛と飛車先を切ることが正解です。
「飛車先の歩交換三つの得あり」の三つとは、一つは持ち駒に歩を持つことができること。二つ目は、▲2五の歩がなくなるため、銀などの自分の駒の動きが良くなること。そして三つ目は、飛車先が敵陣に直通することです。飛車先の歩は切れる時に切っておいた方が良いのですが、たとえば、角を相手が持っていて、▲3七の歩が▲3六になっている時は、交換できません。なぜなら、▲2四歩△同歩▲同飛とした時、△1五角と、この後出てくる「目から火の出る王手飛車」を打たれてしまうからです。

二枚飛車に追われる夢を見た

これは格言ではないのかもしれませんが、二枚飛車は非常に強力だということを如実に表している言葉でしょう。これに関しては、説明しなくても、ちょっと将棋を指したことのある人なら、そう感じるでしょう。

王飛車接近すべからず

玉(王)と飛車は、どちらも大事な駒です。この二つの駒が近くにいると、攻められた時、次の王手飛車をかけられたり、飛車がいじめられたりと、危険なことが多いのです。
そう言う意味で、玉(王)と飛車は近くにいない方がいいよ、と言っている訳です。

目から火の出る王手飛車/王より飛車をかわいがり

この二つは、どちらも飛車の重要性を言っていると思います。
もっとも、「王より飛車をかわいがり」というのは、前に「ヘボ将棋」とつくことが多く、実際には、王様が危険になっているのにも関わらず、飛車を大事にして、負けてしまうことを言っているのですが。
でも、私は、飛車を大事にすることは、大切だと思いますけどね(^^)
駒落ちの場合、下手が飛車を押さえ込まれたら、大抵勝てないものですから。
見落としで、王手飛車をかけられたら、もう泣きたいですよね(^^;

竜は敵陣に馬は自陣に/馬の守りは金銀三枚

竜と馬の使い方を言っています。文字通り、竜は敵陣で攻めている時にその力を最大限に発揮し、馬は自陣で守りに付いているとき、その力を発揮します。
特に馬の守りは強力で、金銀三枚に匹敵すると言われています。ただ、これはあくまで感覚的なもので、その時々の駒の効率により違ってくるのは当然です。
それに、だからといって、いつもこの格言通りに使うのではなく、竜を守りにつけたり、馬を攻めに使ったり、その時々で判断することが大切です。

大駒は離して打て/大駒は近づけて受けよ

図面今、△6四角と王手をされましたが、ここでどうに受けるのが良いでしょう?普通に▲3七銀や銀打ちでは、△3六歩とされて困ってしまいます。


正解は、▲4六歩。これが手筋ですね。△同角と取らせて、▲3七銀打(あるいは▲3七銀)です。
このように、大駒(特に角)は離れていると受けづらいのですが、近くに呼び寄せると受けられることが多いです。
飛車(竜)の場合も先手を取るために、同じような手筋を打つことはありますが、竜は近づきすぎると危険なので、必ずしもこの格言が当てはまらないことがあります。

序盤は飛車より角

序盤は、飛車より角の方が使い道が多いことを言っています。
これは、横歩取りや序盤からの乱戦などで、陣形があまりまだ動いていない時に、よく出現しますが、飛車の打ち込みはないのに、角は結構両取りがかけられたりして使い道が多いものです。
交換するときは、その場面場面で、どちらが使えるか考えることが大切です。

遠見の角に好手あり/角筋は受けにくし

大駒は離して打ての欄の図面をもう一度参照して下さい。
遠くからの角筋と言うものは、結構受けづらいものが多く、それをこの格言は表しています。

角換わり将棋に5筋は突くな/振り飛車には角交換

角換わりの将棋で、▲5六歩と5筋を突くと、常に、△3九角と打って、飛車取りと馬を作る手が見合いになる筋が生じるのです。また、この手を避けながら駒組を進めるのは、なかなか大変なので、このような格言があるのです。
同じように、振り飛車には、角交換をせまる、と言うのが、居飛車の指し方の基本でもあります。これも、角交換すれば、飛車先の歩が切れて、有利に進められることから、このような格言があるのです。
もちろん、いずれの場合も例外はあるので、これが絶対という訳ではありません。

攻めは飛角銀桂守りは金銀三枚

攻めと守りの基本を言っています。
攻める時は、飛車、角、銀、桂すべてが働いているいることが理想的です。
一方守る方は、金銀三枚です。振り飛車の美濃囲いや矢倉はみなこの格言通り、金銀三枚で囲うのが基本です。
ただ戦法によっては、相掛かりや横歩取りのように、飛車角桂だけの攻めになるときもありますが、やはり攻めそのものは細いのです。

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