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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年6月13日出題)

第2問(2005年6月12日:有吉九段-田中寅九段戦)
(問2-1)
後手田中九段の無理矢理矢倉風から穴熊。飛金交換の駒得ながら▲4三金と食い付かれて形勢は微妙。ここでの実際の後手の手は難しいが、4×4の盤面(1〜4筋と一〜四段目)のみを見て▲4三金にどのように応じたら良いか考えて欲しい。(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問2-2)
最終盤、すでに先手の有吉九段必勝。王手がかかっているので、当然受けなければならないが、どのように受けるか。一手すきがかからない形で受けたい。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問2-1解答)「取られそうな金銀はかわして受ける」
4×4だけを見れば、△3一金が筋であり、有段者の一目。将棋を覚え始めの人に、駒落ちでこのような金を打った時はたいてい取ってしまうので、と金を作らせてはダメ、とまず教えるところ。このかわしの手筋を級の人にも是非覚えて欲しい。
但し、実戦は複雑で例外も多く、田中九段は△4三同金▲同歩成から△8六角と切って寄せを目指した。結果、寄せきれず、検討では「普通(△3一金)が一番良かったか。」ということになった。


(問2-2解答)「逃げ道を作る移動合い」
先手は▲8一飛と打てば、次に▲2一金からの詰みがありほとんど受けはない。と言うことは、一手すきさえなくなれば先手の勝ち、と言う訳。そこで△7九龍の王手に▲7八銀が6七の地点を開けた好手。△8五桂と王手しても▲6七玉ですぐに一手すきが続かなくなる。もちろん平凡に▲7八金と受けても先手の勝ちは動かないだろうが、△8五桂打▲8六玉に△9九龍で一手すきがしばらく続く。▲7八銀の明快さには及ばない。

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