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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年8月8日出題)

第10問(2005年8月7日:石川六段-丸山九段戦)
(問10-1)
先手石川六段の三間飛車に舟囲いから押さえ込みをはかる丸山九段。飛角交換後、今石川六段がじっと▲7五銀と進出したところ。中盤の難所で手が広く漠然としている。先手からの攻めとしては、▲6四銀とぶつける手や▲4六歩から▲4五歩と4筋を伸ばしていく手がある。後手の狙いの一つは△8八歩だが、その前に渋い受けの好手を。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問10-2)
終盤戦の入口。△8九飛と飛車を下ろした為、香は助からない。攻めとしては▲4五歩や▲6四銀などあるが、その前に振り飛車らしい手筋の一着を。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問10-1解答)「自陣の補強と未然に当たりを避ける」
△5二銀と6筋からの当たりを未然に避けつつ4筋を補強した手がプロなら当然の一手か。4筋を受けるだけなら△4四歩で十分だが、この歩は△4八歩と美濃の急所に使いたいところ(実戦もそうなった)。4筋に歩を打たず、6筋からの攻撃を未然に避けたなんとも味の良い一手である。



(問10-2解答)「取られる場所を変える」
▲9八香が時たま出てくる手筋。△9九飛成から△9八龍となれば手数と取られた駒は変わっていないが龍の位置だけが違う。当然先手としては△9九の急所にいられるより△9八のちょっと利きの悪いところにいられた方が良い。これが▲9八香の効果だ。
ただ、こうした手筋はいつも成立するのではなく、相手の持ち駒が豊富だと一手パスとなり攻められるので注意。あくまで香を取るくらいしか手がないときの手筋である。
この後は、△9九飛成となり桂香を払う展開になるのかと思いきや、▲6四銀が悪手(おそらく)で、△1五歩が厳しく以下▲同歩△6四銀▲同歩△1五香▲同香▲1九銀と攻められあっと言う間に寄せきられてしまった。


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