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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年10月10日出題)

第19問(2005年10月9日:久保八段-北浜七段戦)
(問19-1)
先手久保八段の藤井システムに居飛車側から角交換を仕掛け難解な戦いに入った。先手からの攻めとしては▲8四歩△同歩▲8三歩△同飛▲7二角のような手はあるが、1九の香を取られる手も大きい。
ここは、どのような手順で後手の手を遅らせるか。3手まで読みを入れて欲しい。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問19-2)
先手後手共に左側を制圧し、難しい戦いは続いている。今△5四桂と急所に桂を打ち、次に△6六歩からの攻めを見ている。後手玉は馬がいる為相当手厚く攻め合いは見込めない。ここはどのように粘って勝負形に持ち込むか。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問19-1解答)「香を取られる手を遅らせる」
香が逃げないと△1九角成と一手で取られてしまう。▲1八香△1九角成の交換は次に△1八馬で馬の位置は変わるが手数は変わっていない(それでもこの位置で取らせた方が少しは良い)。本譜は▲1八香△1九角成▲1六香と逃げて、のちに△2八馬から△1七馬△1六馬となったが、香を取られるまでに手数を稼いだ。
このように香を取るくらいしか手がない時には香を逃げて手数を稼ぐのが手筋。そしてこの後、▲8四歩△同歩▲8三歩から左側を制し難解な戦いになった。


(問19-2解答)「入玉含みの時は逃げ道を開ける」
△6六歩が入ると厳しく、このままの玉の位置ではすぐに捕まってしまう。7七から8六へ脱出したい為、単に逃げ道を開けるだけの手ではあるが、▲8五桂が粘りある一手。久保八段は△6六歩に一旦▲7八銀と我慢し、△4七香に▲7七玉で入玉含みに駒を進めた。
この後、先手玉を寄せる手があったかもしれないが、北浜七段は入玉を許した為、豊富な持ち駒で最後は寄せ切られてしまった。

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