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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年9月10日出題)

第115問(2007年9月9日:中田七段-丸山九段戦)
(問115-1)
先手中田七段の中飛車が角道を開けたままのゴキゲン風だったため、後手の丸山九段も銀を繰り出し手将棋模様になった。
そして、丸山九段が△6五桂から攻めを敢行し、それに反撃する形で、今▲6五桂と跳ねたところ。振り飛車からのこうした桂は時々出てくる手筋であり、これに対する受けの形もある。但し、少しの局面の違いにより、またその受けも変わってくるのが将棋で、ここではどのように応対したら良いか。三〜五手先まで考えて、実戦で指された丸山九段の手を当てて欲しい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問115-2)
難しい局面がずっと続いていたが、飛車取りの段階で桂捨てから飛車を切ったのが、やや強引な攻めだった。今、▲4一飛と打ち込んだ所で、先手が攻めを急がされている局面ではあるが、後手もここでしっかり受けないと、4四の金取りであると同時に、▲3一金や▲4一金と張り付かれると、容易にほどけなくなる。
そこで、この筋を受ける為、指された丸山九段の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問115-1解答)「返し技の合駒を考える」
▲6五桂と跳ねた局面、普通は△4四銀右と桂からかわしつつ王手飛車取りも防いで何でもない所なのだが、この局面はすでに▲2六桂と控えの桂が打たれている為、▲7七角から▲3四桂があってまずい。
そこで、丸山九段は、△同歩と取り、王手飛車を打たせ、△6六桂の合駒で応えた。これなら飛車を取られても、金を取りつつ急所に成桂を作ることが出来、依然難しい形勢が続いた。



(問115-2解答)「歩で大駒の利きを止める」
ここは平凡に見えるが、△4二歩が受けの好手。斜め駒が一枚でもあると、▲同角成から攻め込まれて受けになっていないが、今切り込んでも金が二枚になり、△6四角の王手飛車が残るため、攻め切れない。
実戦はここで、▲5三角成と成り、△4三金引に、▲2六馬と馬を引きつけて多少の粘りに出たが、駒を多く渡し過ぎている為、△3七歩から一気に寄せ切られてしまった。

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