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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年10月29日出題)

第122問(2007年10月28日:野月七段-増田五段戦)
(問122-1)
一手損角換わりになった本局は、先手の野月七段が早繰り銀で居玉のまま後手に攻めかかった。
そして、銀桂交換ながら馬を作り、今▲6四桂と金取りに桂を打ったところ。このまま金を取られては後手の駒得がなくなり、馬を作られただけ損になってしまう。ここで増田五段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問122-2)
左右から攻撃を仕掛け、優勢になった野月七段だったが、手拍子に歩を成り捨てたのがまずく、今▲3四馬と銀を取ったものの、攻撃が決まった訳ではない。もちろん△3四同銀では▲2一飛成と飛車を素抜かれて問題外だが、ここでは、後手に当然の受けがある。増田五段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問122-1解答)「相手の大駒に当てて強く受ける」
金を取られないためと言っても△5一金と引いたのでは、▲7二桂成で飛車が死んでしまう。(攻めに)有効な手があれば、手抜いて▲5二桂成△同銀とする手もあるが、ここでは△6三金と馬に当てて上がる手が強い受けだ。▲7二馬では飛車を逃げておいて桂の成る場所がなくなるし、他の場所では桂を取られてしまう。
実戦は▲7二桂成と成り、△3一飛(△7三金もある)▲4六馬と進み、難しい戦いが続いた。



(問122-2解答)「飛車頭の連打で受け止める」
ここで普通に2四や2五へ歩を打って受けるのでは、馬に逃げられ3四銀を取られた損が残る。ここは歩がたくさんあるので、実戦でも良く出るように、△2七歩から飛車頭を連打するのが手筋。△2七歩▲同飛△2六歩▲同飛△2五歩と連打すれば、飛車取りと馬取りが残り、必ずどちらかは取れると言う訳だ。

実戦はこの後、▲2三馬と切ってから飛車を逃げたが、△6四角から△4五桂が味の良い攻めで、後手が逆転。最後は粘る先手を振り切り即詰みに討ち取った。

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