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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年7月21日出題)

第158問(2008年7月20日:井上八段-山崎七段戦)
(問158-1)
後手の山崎七段が4手目△3三角と上がったため角交換から相腰掛け銀へと進んだ本局は、後手の一瞬の不備を突いて先手が猛攻、有利に立ったが、後手も香頭を叩き△8五桂と反撃を開始した。
そして、今その桂が△9七桂成と王手で香を取ったところ。王手なので取るか逃げるかしかないが、ここではどのように応対したら良いか。先手井上八段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問158-2)
後手の反撃に応接を誤り、形勢は逆転した。今▲3二とと銀を取りながら王手をしたところだが、このような時はどの駒で取り返したら良いか。終盤での基本的な考え方は?



(難易度・・・



(これより下に解答)

(問158-1解答)「攻め駒が少ない時は▲9七同玉も考える」
ここで先手の井上八段は▲同玉と玉で取った。このように端から攻められる局面というのは頻繁に発生し、桂で取ることも多いが、桂の場合は△9六歩が来る。そして、(桂で取った場合は)その一手を待って攻め合いに活路を見いだすことになる。本譜のように相手の攻め駒が少ない時は、戻ることの出来る玉で取ることも考えに入れたい。同玉の瞬間はかなり怖く、実際手があるとまずいことも多いが、次にもう一手▲8八玉と戻れれば安全になる。本譜は戻さない為に△9九角と打ったが、▲7七桂がピッタリした受けで、少しずつ先手が余しそうな局面で推移した。
なお、逆に相手の駒が重い場合、たとえば9筋に香が二枚も三枚も重ねられているような場合には9七の成桂すら取らずに▲7九玉と逃げる場合もある。これは重い攻めはさらに重くするという意味で、その局面に応じて考えてもらいたい。



(問158-2解答)「詰めろをかけさせない飛車や金」
将棋には、自玉が詰めろ(一手スキ)でも相手を詰ませれば勝ち。自玉が二手スキなら相手に一手スキをかければ勝ち、という基本原則がある。
この現局面、先手玉は詰めろなので△3二同玉と取っても詰まない為勝ちそうだが、▲3四馬と取った手が(△3二玉と取っていると)詰めろ逃れの詰めろになってしまう。ところが飛車で取っておけば(▲3四馬の時)先手の詰めろは消えるが、後手には詰めろがかかっていない。つまり▲3四馬の段階で先手玉に詰めろをかければ良いことになる。

細かい理屈はそういうことだが、要するに自玉には出来る限り相手の駒から離れていた方が良いということでここでは△同飛と取る一手。これで先手は▲3四馬と取りつつ先手の詰めろを消すしかないが、これが後手玉の詰めろにはなっておらず、(先手玉に)必死をかけられ、最後はかなり王手で追いかけたものの後手玉は詰まなかった。


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