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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年2月2日出題)

第184問(2009年2月1日:佐藤(康)NHK杯-金井四段戦)
(問184-1)
先手佐藤NHK杯、後手金井四段で矢倉模様の出だし。ところが、途中後手が急戦をにおわせた手に対し、▲7五歩と突っ張り難解な中盤戦へ突入した。その後、先手の悪形を突いて後手が先攻。先手はしばらく受けの続く展開となった。
今、△6九角に▲5七飛と浮き、△9五香と一歩を補充し、△5六歩と叩いたところ。これを▲同銀は△6六飛、▲同飛や▲5九飛は△4七角成と成られるが、三手の読みでどの手段が一番良いか。先手佐藤NHK杯の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問184-2)
後手が細い攻めを完全に切らされることなく延々と指し続けて、今△9七歩とここに歩を垂らしたところ。
端攻めでこのように歩を垂らす手は頻繁に出現するが、ここではどのように応対したら良いか。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問184-1解答)「三手の読みで最善の受けを」
ここで佐藤NHK杯の指した手は▲5九飛。この手だけを見ると△4七角成で4六の銀取りをまた受けなくてはならなくなり、後手を引いてしまいそうだが、▲4九香と打って先手を取るのが三手の読み。
4筋に歩が利かず、持ち駒に金しかないことを見た上での一手で、△3八馬と入るしかなく、先手を取って攻めに回ることが出来た。



(問184-2解答)「場合の受け」
六段目に「と金を作るぞ」と歩を垂らされた時、八段目に歩を受けるのは普通の受けだ。しかし、端攻めで9七や1七へ垂らされたときは、まず取る手から読む。但し、この場合、▲同桂は△9六歩で桂が助からず、▲同玉も△9六歩と打たれると、▲9八玉で”一歩で一手を稼がれる”ことになる。
と言って、このままいつでも△9八金と言う手を見られていると迂闊に駒は渡せない。と言うわけで、佐藤NHK杯の指した一手は▲9九歩。
端に垂らした歩に対しこのように受けるのは部分的には辛い形だが、すでに先手は駒得をしている為、この地点だけしっかり受けてしまえば有利になるという”場合の受け”だ。

本譜はこの後、飛車を追い回しながら自陣強化と攻めの手がかりを得て、最後は後手玉を即詰みに討ち取った。


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