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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年2月23日出題)

第187問(2009年2月22日森内九段-渡辺竜王戦)
(問187-1)
先手森内九段の▲7六歩に後手の渡辺竜王は△8四歩と矢倉模様に進んだが、先手が早囲いをにおわせると後手は急戦調にしてそれを牽制。妥協を許さない結果、玉をほとんど動かさない状態でいきなり大乱戦が始まった。
この下の局面は、後手の飛車が先手の玉に直通しており、一歩間違えれば即終了という際どい局面。今、△6六銀と5五の銀を出てきたところ。ここでどう指すべきか。先手森内九段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問187-2)
際どい局面はあったものの先手が銀桂得と大幅に駒得し、飛車を打ち下ろした局面は先手優勢。すぐに詰む訳ではないので先手玉に迫る手があれば受けない手も考えられるが、そのような手もなく次の平凡な開き王手が厳しい。そこで粘るにはどのように受けるのが良いか?6一銀を重くしてチャンスを待ちたい。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問187-1解答)「先手を取る飛車頭の叩き」
角銀交換で良しとするなら▲5四歩と打っておく手もあるが、このような局面ではまず飛車頭を叩く手から読んでみたい。
▲5三歩に△同飛は▲5四歩と叩いてこれは後手必敗。△同角と取り▲6六角とタダで取った瞬間が相当恐い。△8六角の両王手、△7五角の王手角取り、△1七角成の王手飛車取りが見えるが、これらは大丈夫と読んだ上での▲5三歩でなければならない。



(問187-2解答)「飛車に対する一段歩で手を稼ぐ」
次に何もしないと▲5二銀成△同玉▲4一銀でも、単に▲7二銀成の開き王手でも後手は収拾がつかない。そこでこの筋を受けるには△5一歩と下段で玉の横に歩を打っておくのが筋。これで一旦は凌ぐ形になる。
とは言え、先手の駒得は大きく、▲5四桂と攻め立てられ依然後手の辛い形。

本譜は▲5四桂の後、△7三角から△5三金!と受けて6一の銀を重くし、桂を取って△5六桂の反撃。先手玉に迫ったが、後一歩が届かず、最後は駒を蓄えた先手が後手玉を即詰みに討ち取った。

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