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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年6月1日出題)

第201問(2009年5月31日野月七段-畠山七段戦)
(問201-1)
戦型は、先手野月七段、後手畠山七段で相掛かり戦。先手の野月七段が右銀を繰り出して行ったが、中盤、途中で疑問手があり後手のやや指しやすい形勢となった。
今▲4六桂に△3三飛と引かせたところ。しかしこれ以上追求する手はなく、むしろ△5七歩がいつでも△5八銀と打つ手を残し先手にとって嫌みな垂らしの歩となっている。そこでこの歩を取るために先手の指した一手は何か?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問201-2)
後手の攻めが決まり、下図はすでに必勝形。先手が▲7一飛と受けに利かせつつ王手をしたところだが、このような場合に受ける基本的な手段とは?後手畠山七段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問201-1解答)「玉でヒモを付けに行く」
ここで野月七段は▲6八玉と玉を立った。この手で単に▲5七金と歩を払いたいところだが、そうすると△5五銀と出られ▲同銀には△5七馬で金を取られてしまう。この金にヒモをみずから玉で付けに行ったのがこの▲6八玉。但し、△7六桂のキズは生じるし、一手かけて手番を相手に渡したのも大きく、△7三桂から力をためられ後手の攻めを誘うことになった。



(問201-2解答)「金底の歩岩より固し」
「金底の歩岩より固し」という格言があるように、このような場合△5一歩と歩の合駒をしておいてそれが悪手になることはほとんどない。但し、一般的に金底の歩は格言で言われるように固いが、直ちに▲5三歩と金頭に歩を叩かれる場合はそれほど固いという訳ではないので注意したい。また、このような底歩を打つと将来5八辺りにいる玉とか金とかの頭を叩くこともあるので二歩も打たないように気をつけたい。

本譜はこの後▲7四角と出たが、△6三銀と打った手が逆転の望みを絶つ手厚さで、以下いくばくもなく投了となった。


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