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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年12月28日出題)

第230問(2009年12月27日三浦八段-佐藤九段戦)
(問230-1)
後手の佐藤九段は、4手目6手目に9筋を突き越すという趣向に出ると、それをとがめる為、先手の三浦八段は自陣角から銀を繰り出していった。
そして中盤、作戦勝ちから優勢になった三浦八段は、横歩を取り、今△4五桂▲同銀と桂交換になったところ。
ここでの後手佐藤九段の指した一手は?すでに後手の大変な局面ではあるが、先手の狙いを考えそれを阻止する一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問230-2)
駒割りは先手の角得となっており、すでに大優勢。しかし、まだ後手陣もしっかりしており、すぐに寄せに入るという態勢ではない。盤面全体を見て、ここではどのように指したら良いか。先手三浦八段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問230-1解答)「相手の狙いを読み、最善の形で辛抱」
ここで佐藤九段の指した一手は△4四桂。この手は▲1一角成△同飛▲3二飛成という攻めを防いだ一手となっている。この筋だけを防ぐなら△3三桂でも防げるが、この地点は△3三金から飛車をいじめる狙いや△2四角という手も消してしまうことになる。そこで仕方ない△4四桂で先手の進撃を止め、後の反撃に期待することになった。



(問230-2解答)「壁銀を解消する手」
△7六桂と跳ねられると金銀両取りになるが、仮にこの手がなくても壁銀は常に解消しておきたい味の良い手となることが多い。問題図は、すでに角得で先手必勝だが、先手の玉は金銀三枚といえど、一枚の銀は8八、残り二枚の金を一枚でもはがされると大変薄い形となる。そこで攻められる前、攻める前に一手▲7七銀と上がっておくのが勝負の呼吸というもの。

本譜は駒得した先手が左右にゆさぶりをかけると、最後は▲8六香〜▲8三香成という手順で玉頭から一気に寄せ切った。


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