将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2010年2月8日出題)

第235問(2010年2月7日渡辺竜王-深浦王位戦)
(問235-1)
先手渡辺竜王、後手深浦王位でガップリの相矢倉となった。仕掛けも、定跡の王道を行く▲3七銀から▲4六銀▲3七桂で先手の攻め、後手の受けという進行。
そして今、△3四歩の受けに3八にいた飛車を銀取りにじっと▲2八飛と回ったところ。銀取りなのでこの銀を受けるしかないが、ここではどのように受けるのが良いか。深浦王位が指した三手一組の手順を。

(答えはこの下に)
(難易度・・・やや難



(問235-2)
先手の攻めを一旦は受け止め、少し残しそうな雰囲気ではあるが、後手玉も不安定でまだ難しい局面。今、▲6六同飛に△5五角と間接王手飛車をかけたところ。何もしないで、このまま△6六角と王手で取られてはいけないので、何か受ける一手だが、この局面ではどのように受けるのが良いか。渡辺竜王の指した次の一手は?

(難易度・・・やさしい



(これより下に解答)

(問235-1解答)「薄い受け、手厚い受け」
ここで深浦王位の指した△7七桂成と銀を取って、△2四銀と埋めるのが手厚い受けの手順。2五の銀を助けるだけなら、△2四歩(▲同角なら△2七又は△2六歩)とか1四や1六、3六に銀が出る手とかいろいろあるが、どの手も皆薄い受けで、先手からの様々な手段が生じてしまう。
8五の桂は、局面によっては△9七桂成や△9六歩からの端攻めも見たい所ではあるが、この場合は、2五の銀を手厚く助けるのが先決で、このような手順になった。実際は、これでも▲6四歩を突き捨て、▲1七桂から先手が攻め、攻めきるか受けきるかギリギリの攻防が続いた。


(問235-2解答)「先手を取るか後手になるか」
飛車をタダで取られてはいけないので、何か受ける一手だが、▲7七銀などと駒を投入するのはまずく、△6六角▲同銀のあと、どこに飛車を打たれても(何かの取りになるため)後手になってしまう。このような場合、取られた後の手を考え、後手にならないように受けを考える。
▲7七角というのは、浮いている5九の角を飛車取りを受けながら使うことが出来、この一手であると同時に、角を手に入れた後、▲3一角を見て、先手となっている。

実戦は、終盤難解な攻め合いになり、感想戦では少しずつ後手が勝っている感じであったが、一手のミスで逆転、先手が攻めきることに成功した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ