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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年2月7日出題)

第286問(2011年2月6日 深浦九段-渡辺竜王戦)
(問286-1)
先手深浦九段、後手渡辺竜王で、戦型は相矢倉。先手の深浦九段が軽く動いたが、その後渡辺竜王が端から猛攻をかけたことで戦いに入った。
下図は後手の攻めがうまくいき十分な態勢になり、さらに△7六歩と金頭を叩いたところ。ここで先手の指した次の一手は?このような局面ではどのように指すべきか?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問286-2)
後手の猛攻の間隙を縫って▲1三桂成から▲7一飛と王手をしたところ。この王手に対し、後手はどのように受けるべきか。後手渡辺竜王の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問286-1解答)「駒損しても拠点を払い先手を取る」
本来駒損はしてはいけないので、金は逃げるのが自然だ。しかし、この局面のように、逃げた後に、打ち込まれる金駒と歩を持っており、かつそれが王手になる場合は、取ってしまった方が被害が少ないことも多い。
実戦は、△7六同飛と金を取られ、依然苦しい先手だが、▲6七銀と打ち、まだまだ粘りを見せた。


(問286-2解答)「持ち駒を使わない受け」
4一や5一に合駒をすればより強固になるが、一枚使うことで、先手に対する攻めも細くなる。将棋における攻めと受けは常に表裏一体。相手への攻めを見て、その攻めが細いと思った場合は、できるだけ持ち駒は使わないで受けた方が良い。特にこの場合は、△4二玉の状態も比較的安全なのでここは合駒ではなく△4二玉と持ち駒を使わずに受けたいところ。

この後、▲7九香と受けて手を稼ぎ、▲4四歩から▲4三香と後手玉に迫ったが、最後は先手玉が詰むかどうかという難解な局面を見事即詰みに討ち取り、渡辺竜王が勝利した。
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