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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年2月14日出題)

第287問(2011年2月13日 郷田九段-糸谷五段戦)
(問287-1)
先手郷田九段、後手糸谷五段で、戦型は一手損角換わり。先手の郷田九段が早繰り銀を採用すると後手の糸谷五段も早繰り銀で対抗するという珍しい形になった。
その後、やや先手の指しやすい局面から下図、▲2五角に△5二銀と一枚使わせてここでどのように指すべきかと言うところ。先手郷田九段の指した一手と感想戦で話された手順は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問287-2)
後手が盛り返して迎えた下図。▲6六歩の催促にどうすべきか。攻めと受け、両方を考えて後手糸谷五段の指した手を3手1組で。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問287-1解答)「攻め合いで手勝ちを目指す」
問題の局面、次に△3七馬▲同金△2八飛の王手角取りが見えるので、実戦は▲3八銀と受けて、△2八馬▲4九金と進んだ。対局中は手堅いように見えたこの手順だったが、感想戦では疑問で、逆転の分岐点となった一手だったようだ。その感想戦では単に▲8二飛と打ち、△3七馬なら▲同金△2八飛▲3八金△2五飛成と角を取られても先手十分とのことであった。


(問287-2解答)「玉形を乱しておいてから受ける」
実戦の進行△5七桂成▲同玉△4三金が好手順で後手の指しやすい局面での終盤戦が続いた。
問題の桂取りに対し序盤であれば駒損しないように、△7七歩成▲同桂△同桂成▲同銀と進めるのが普通だが、このような終盤になると、駒損より相手の玉の不安定さと壁銀を解消させないことの方が大事になる。そこで、△5七桂成と成り捨て、▲同玉に▲4四桂や後の▲3四角を防ぐ△4三金が手厚い一手となっている。

本譜はこの後、先手の攻めを凌いだ後手が5五から△6六銀と6四の銀を繰り出して反撃を開始し、先手玉を華麗に寄せきった。
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