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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年2月21日出題)

第288問(2011年2月20日 羽生NHK杯選手権者-佐藤(康)九段戦)
(問288-1)
先手羽生NHK杯選手権者、後手佐藤九段で、戦型は後手のゴキゲン中飛車。先手が持久戦模様で対抗した為、双方が穴熊に入る相穴熊戦へと進んだ。
そして小競り合いから端をからめ一気に戦いに入ったが、下図、数手前からの双方の駒の取り合いはすさまじいものがあり、どちらが読み勝っているかと言った進行だったが、今7七のと金をそのままに▲7三歩成と二枚目の銀を取ったところ。ここで、後手佐藤九段の指した一手は?この局面だけを見ると難しい手ではないが、流れを追っていると驚くその一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問288-2)
後手玉を王手で追ったものの詰みまでは行かず、△9四香と反撃されたところ。▲9五歩と一旦は香を近づけさせてここで先手の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問288-1解答)「手を戻すタイミング」
この局面の数手前は7三と7四に銀がいて7七の金を取る間に二枚の銀を取られている。普通このような取り合いになった時は、△8八とと王手で攻め込んで勝てなければダメとしたものなのだが、実戦はここでじっと△7三金と手を戻した。7七のと金を残しておいたのは、9三から攻め込まれて9八の香が動いた時に△9八歩▲同玉△8七とと言う攻めを残しておくため。但し、本譜、▲7七桂と取られる手も残り難しい選択となっている。


(問288-2解答)「詰将棋ばりの移動中合い」
詰将棋には凌ぎの手として移動中合いも出てくるが、このように実戦で出ることは珍しい。ここ、▲9六歩など普通に受けては△7九龍と切られ簡単に負け。そこで8七に玉の脱出場所を開けながらの▲9六金が絶妙の移動中合いとなった。

本譜は△9六香▲8七玉の形で先手玉が寄らなくなり勝ちになったと思われたが、その後、後手も入玉含みで粘り一時はかなり盛り返したが、最後後手玉は中段で捕まることになった。
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