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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年3月5日出題)

第339問(2012年3月4日 渡辺竜王-久保棋王・王将戦)
(問339-1)
先手渡辺竜王、後手久保棋王・王将で戦型は居飛車対後手の四間飛車。後手が△3二金から△4四歩と角道を開けた為、お互い角を持ち合う難しい中盤戦へと進んで行った。そして先手の動きに巧みに反撃、一時は後手の攻めが炸裂したかに見えたが、先手もギリギリで凌ぎ、下図はどちらが勝っているのか難しい局面。とりあえず5三の金取りを防がなければならないが、どのように防ぐのが良いか。ここで指された後手久保棋王・王将の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問339-2)
下図は最終盤、先手玉を詰めに行ったものの詰ますことが出来ず、今△9九飛成と詰めろ逃れの詰めろをかけたところ。先手玉には△3六桂以下の詰めろがかかり、後手玉は9九の香がいなくなった為詰みがなくなった。一見先手苦境に思えるが、ここで指された先手渡辺竜王の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問339-1解答)「金底の歩」
通常「金底の歩岩より固し」の格言は、二段金に一段歩の場合を指すが、ここでも金底に△5二歩と打った形は先手の飛角を押さえしっかりした守りになっている。
先手は▲6五桂から攻めるしかないが、7七の地点が開くため陣形が弱くなり、どちらが勝っているか分からないような難しい一手争いになった。

(問339-2解答)「攻防の角-詰めろ逃れの詰めろ」
ここで放った▲4四角が△3六桂▲3七玉△2六銀からの詰めろを防ぐと同時に、▲9三金〜▲8一銀もしくは▲8二金〜▲7一銀からの詰めろを見た攻防手。

この手に、何らかの返し技があればまだ戦いは続くのだが30秒では発見出来ず(あるいは反撃の手段がなく)、すぐに先手の勝ちで終局となった。
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