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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年10月8日出題)

第369問(2012年10月7日 木村八段-永瀬八段戦)
(問369-1)
先手永瀬五段、後手木村八段で始まった最初の一局は終盤、金の打ち合いで千日手となった。
そしてすぐに指し直し局。ここではその指し直し局を取り上げた。先手木村八段、後手永瀬五段で戦型は後手のゴキゲン中飛車に先手は超速。中盤、先手が二枚替え、後手は二枚飛車に命運を託し、難解な終盤戦へ突入した。
下図は▲6一銀と手筋の銀をかけたところ。このような銀に対してよく指される手筋の受け方とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問369-2)
終盤、△7六桂と跳ねて、先手玉は△6九龍からの詰めろ、後手玉に詰みはないという局面。したがって受けるしかないのだが、ここで指された先手木村八段の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問369-1解答)「金は引く手に好手あり」
金取りに銀を掛けられた局面、第一感は△7一金でありまずここから読みを進めたい。△7一金と引くことで、仮に▲7二金と打たれても△同金▲同銀成で単に取られた時より金一枚違ってくる(但し手番も一手違う)。大量に持ち駒を持たれている時は、金のかわしが利かないこともあるが、多くの場合引く手は好手になりやすい。

(問369-2解答)「飛車を遮断する受け」
詰めろを防ぐだけなら▲5七銀など他の受けもあるが、この▲6六銀は攻めの駒でもありこれでは勝てない。実戦は▲5八銀と一枚投入してしっかり受けたのが好手。これで二手スキが続かない。

本譜はしかし△5九銀がひねった勝負手。木村八段は▲7一成桂と踏み込んだが、これを詰めろではないと△6八銀不成。しかしこの△6八銀不成も▲同金とされて自動的に後手玉は詰めろ。以下詰むや詰まざるやの局面で先手玉を追いかけたが結局捕まえることは出来ず後手の投了となった。
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