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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年2月11日出題)

第386問(2013年2月10日 渡辺竜王-佐藤天彦七段戦)
(問386-1)
先手渡辺竜王、後手佐藤七段で戦型は横歩取り△8五飛戦法。以前多かった玉の囲いと僅かに違う最新形から中盤一気に戦いが始まった。
そして下図、先手が露骨に▲2三角と打ち込んだところ。応手を間違えるとあっという間に敗勢になってしまいそうな局面だが、ここではどのように受けたら被害を少なく出来るか。後手佐藤七段の指した次の三手を。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問386-2)
下図の少し前、▲3一飛と王手せずに打った飛車が好手で先手が良くなったかと思われたが、感想戦では△3三歩と言う幻の受けの一着があった。その手を逃し、△4二桂と桂を使ってしまったため、やや先手に流れが傾きかけたところ。今△8九飛の王手にはどのように対応すべきか。先手渡辺竜王の指した次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問386-1解答)「飛車の進入阻止を第一に」
プロであろうとアマであろうと飛車の進入は大きな成果。逆に言うと、(後手の立場から)多少駒得しても飛車に入られてしまっては先手玉は固く勝負にならない。
そこで指されたのは、△2三同金▲同歩成に△3五銀と立って飛車取りにする手順。2三の角をそのまま、あるいは△同銀の後、飛車取りにしてもうまい形で飛車を追うことは出来ないし、場合によっては見捨てて駒を取られてしまう。
そこで金で取り、△3五銀と出たのが本譜。2筋は破れたように見えるが、飛車は成りこめず、角金交換の駒損なので実戦は良い勝負だった。

(問386-2解答)「後手でもしっかりと受ける場所」
王手なので応手は四通りしかない。しかしどれも一応考えられそうな手段なので迷う所だ。ただ実戦のように▲7九銀と引いて受けるのが味良い一着で他はいろいろと欠陥がある。▲7九金は瞬間先手だが、△8七角や香を取られた後かえって薄いし、▲7九桂と桂を使ってしまうのは攻めが細くなり、△8七歩も嫌み。また▲5八玉と上がるのはと金に近づく上、△2七角などの詰めろが受けにも利いてきてしまう。

本譜はこれでも△8七歩だったが、感想戦では単に△9九飛成と香を受けに使う為取っておいた方が良かったようだ。▲6六桂に△8三角と受けたものの▲6二金から▲8四銀と攻められ後手陣は崩壊、最後は即詰みとなった。
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