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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年4月15日出題)

第393問(2013年4月14日 飯島七段-高見四段戦)
(問393-1)
先手飯島七段、後手高見四段で戦型は後手のゴキゲン中飛車に先手の丸山ワクチン。角交換の後は、お互いじっくりした駒組み合戦になり、動いたのは先手の▲5六角〜▲3四角からだった。そしてその角を攻め、難解なまま終盤戦へ突入し、下図は▲7四銀に、△7六歩▲同金と形を乱したところ。特にすぐ何かを受けなければならないという訳ではないが、▲4三飛成や▲8三銀成、▲7三銀成、▲8五桂など先手には多くの手段が残されており、一手の余裕もない状況。ここで指された後手高見四段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問393-2)
最終盤、今△8四桂と金取りに桂を打ったところ。これは詰めろで、たとえば▲3二飛成なら△7六桂▲9八玉△9七金▲同玉△8八角▲9八玉△9九角成と攻めて詰み。そこで何か受けるしかないがどのように受けたら良いか。先手飯島七段の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問393-1解答)「盤面を広く見た一着」
ここで高見四段の指した一手は△4四香。本来なら▲3四成桂のように遊んでいる駒に働きかけるのは筋が悪い。しかし、この局面は、△8四桂が厳しく、逆にここの桂以外の攻めはたいしたことない。と言うことで、△4四香と成桂との交換に行った手が機敏だった。
本譜は▲4四同成桂△同歩に先手も▲3五飛と工夫を見せ、難解な終盤戦が続いた。

(問393-2解答)「受けた後の攻め筋を読む」
△8三の銀を取って打つ手はあるが、それだと駒不足になる可能性がある。そこで、盤上の駒で受けるには本譜の▲6七銀と▲6八桂と打って受けるかの二択しかない。▲6八桂は△7六桂と金を取ってくれれば▲同桂で調子良いが、△9六桂からの端攻めを気にしなければいけない。特に6八の地点を埋めてしまうと、▲7九玉からの逃げ道がなくなる。
こうした相手の攻め筋を読みに入れて、▲6七銀と上がるのが正解であり本譜。もっともこれにも△5七金と言う手があるのでこれで受けきれるかどうかも読まなければならない。

本譜は、その△5七金に▲5八銀右と引いて、さらに△4九角!というハデな手が飛び出し、最終盤は両者の玉が詰むや詰まざるやの局面になった。しかし、短い感想戦によると、△5七金以降は先手が僅かに残していたようで、最後も実戦の詰みに出てくる手筋の桂捨てで後手玉を即詰みに討ち取った。
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