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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年6月17日出題)

第402問(2013年6月16日 中田功七段-阿久津七段戦)
(問402-1)
先手中田功七段、後手阿久津七段で戦型は序盤の折衝の後、先手の居飛車左美濃、後手の石田流穴熊となった。中盤、後手が仕掛けると、一気に大駒の総交換が行われ、どちらが読み勝っているかという局面から、しだいに振り飛車穴熊への攻撃が厳しく先手十分になっていった。
下図は後手の反撃。今△9八歩と叩いた所で、取れば△9九角が見えるがその攻めはどうか。ここでは実戦で指された一手と感想戦で話された一手を問う。次の一手が疑問で最終盤混戦となる分岐点になっている。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問402-2)
どちらが勝っているか分からない難解な終盤戦。今、先手が▲8五桂を打ったところ。この手は、▲9二馬△同玉▲9三歩成△8一玉▲9二角以下の詰めろになっている。ここで後手阿久津七段の指した一手は何か?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問402-1解答)「端攻めと手抜くタイミング」
△9八歩と叩かれた局面。実戦は▲同香と取ってしまったが、短い感想戦で悔やんだ一着だった。ここでは▲9三歩成と手抜いて攻め込んで先手の一手勝ち。△9九歩成はまだ詰めろでないし、△9六桂という王手はあるが、これも駒不足だ。
▲9八同香と歩を払う手は自然であり、正着となることも多い。ただ、手抜いて攻め合うことも常に考えておきたい。


(問402-2解答)「詰めろ逃れの詰めろ」
ここで△6四歩と突いた手が玉の逃げ道を開けながら、先手玉に△6五歩▲同銀△5五銀打の詰みを見た「詰めろ逃れの詰めろ」。これがピッタリした一手だった。ただ、後手玉が本当に詰めろを逃れているかは結構難解で、時間のないなか完璧に読み切るのはプロでも難しい。

本譜は▲9二馬から局面を決めに行ったが詰みはなく、結局逆転して後手の勝利に終わった。
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