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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年8月12日出題)

第410問(2013年8月11日 森九段-屋敷九段戦)
(問410-1)
先手森九段、後手屋敷九段で戦型は先手の振り飛車(三間→四間)対後手の居飛車穴熊。先手が▲4六の銀をぶつけて戦いが始まり、飛角交換、そして居飛車の飛車をいじめる形で進行した。
下図は、先手の角得なのだが、9一の銀が遊んでおり、居飛穴が固く美濃の急所に手が付きそうな為、逆に後手の方が勝ちやすそうと言える局面かもしれない。ここで指された先手の次の一手は?実はその手は、局後に後悔した一着。受けとしては普通なのだが、この局面では疑問手だった。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問410-2)
駒割りは互角になったが、9一の成銀が遊び、玉の固さで後手優勢。今、最後のお願いとばかりに▲1六桂と筋の桂を放ったところ。次に▲2四桂と飛ばれると一気に勝負になる。そこでここではどのように受けるのが良いか。後手屋敷九段の指された次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問410-1解答)「受けの基本-桂には桂」
△4四桂に対し、実戦は▲4八桂。このように桂に対し桂で受けるのは、「利かされ」でありややポイントを稼がれていると言えることも多いが、受けとしては普通で基本の受けでもある。局面によって、特に攻め筋がこれ以外ないような場合にはしっかりとした受けになり、逆に桂を使わされることで、自分の攻めがなくなるのであれば辛い辛抱と言うことになる。
本局は、次の△3五歩が非常に厳しく▲4八桂は疑問であった。感想戦では、代わりに飛車を打っておくか、▲4七金と薄いが守っておく手が検討され、この方が本譜よりはマシとの感想だった。

(問410-2解答)「急所の駒を守る受け」
▲2四桂と跳ねられ、3二の金もしくは1二の香を取られる形になると穴熊は極端に弱体化する。そこで、屋敷九段は、△3三銀打と守った。▲2四桂と跳ねられると、△同銀▲同角で銀桂交換にはなるが、穴熊は全然崩れない上、桂が入ると攻めに使える。

本譜はこの後、▲6一飛に△4一香と入れた手が手堅く後手陣は鉄壁になった。そして先手の指しようがなくなり、仕方のない▲4七金〜▲5三角成に△4六桂から一気に先手玉を寄せ切ることに成功した。
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