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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年12月2日出題)

第426問(2013年12月1日 丸山九段-金井五段戦)
(問426-1)
先手丸山九段、後手金井五段で戦型は角換わり腰掛け銀。△7四歩を突かず、専守防衛の形で後手が待つと、先手も穴熊への組み替えを見せた。そしてその瞬間、後手が3筋から動いて小競り合いが始まった。その後、金銀四枚の後手玉に襲いかかると、先手の攻めがつながるか切れるかという展開に。
今、△7七桂成と銀を取って▲同金右と進んだところ。先手玉はすぐには寄らない。一方、後手玉は、▲2三桂成△同金▲2四歩や、単に香を足す手、桂成りから▲1一角などいろいろな筋の攻めがある。そうした攻めを緩和するための受けとは。ここで指された後手金井五段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問426-2)
上図から一旦は先手が優勢になったかに見えたが、後手も粘りを見せ、形勢は混沌としてきた。今、▲3三桂成と金を取り、△同銀と進んだところ。攻めるなら▲2四香から角も切ることになるが、先手玉も駒を渡すとかなり危険だ。そこで、ここで指された先手丸山九段の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問426-1解答)「攻め駒に当て、先手で受ける」
終盤は、攻めでも受けでも先手を取ることが重要だ。ここでも、単に2三に駒の利きを足せば一旦は受かるが、2筋に香を足されると受けとしての一手の価値はない。
そこで△2四銀とここに銀を打って受けるのが有段者ならひと目の一着。桂取りになっている為、先手の攻めをせかしているという訳。もちろん、本譜もそうであったように、それでも▲2八香と桂を取らせて攻める手もあり△2四銀で完全に受かるということではないが、少しでも間違えるとすぐに優勢になる、そういう受けの一着として、また最強に頑張れる一着として覚えておきたい。

(問426-2解答)「状況によって変わる-かわすかどうか」
△8六桂と金取りに打たれた時、金をかわす手をまず考える。しかし相手の持ち駒が豊富だと、その一手が無駄になることも多い。本譜もかわすよりは、攻め合いに活路を見いだし、実際そのままの攻め合いは先手が勝ちそうだった。ところが、後手も駒を使って頑強に受けると、先手も攻めきれない。そのように状況が変わると、今度は数手前に当たっていた金を逃げる手が有効になる場合もあるという訳。

本譜は▲8八金に△4七歩成で手を渡したが、その瞬間、先手が▲2四香から角を切って一気に寄せに出た。そして、最後は長手数ながら後手玉を即詰みに討ち取り先手が混戦を制した。
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