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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年3月24日出題)

第442問(2014年3月23日 丸山九段-郷田九段戦)
(問442-1)
NHK杯決勝戦。先手丸山九段、後手郷田九段で戦型は横歩取り△3三角戦法。▲3四飛を動かさず、▲3六歩から▲3七桂と跳ねる最新形。そしていきなり▲4五桂と跳ねて乱戦の幕が開けた。
今その▲4五桂に△3七歩を叩き、角交換して△5五角と打ったところ。△3七角成と△8八角成を見られており、もちろんこのまま何もしないで取られてはどちらを取られてもいけない。そこで先手丸山九段の指した一手は?ひと目、こう指すしかないと思われるところだが、慎重に読みを入れて丸山九段は次の一手を指した。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問442-2)
先手が考えていない手で、後手が優勢を築いた。しかし、やや攻めを間違え、先手から▲3五桂〜▲4六香と攻め立てられ、少しでも間違うと逆転するかもしれない局面にまで猛追されている。
ここでの後手郷田九段の受けは?どのように受けるのが最も安全か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問442-1解答)「角には角」
頻繁に出てくる手筋の受け、角には角がここでもこの一手。▲7七角と受ければ銀を取られても、飛車を取り返せる。△同角成と角交換なら▲同桂と取っておき、両取りがなくなるという訳。
本譜は、角が動けないよう当然の△7六飛だが、▲8四飛と回って攻め合いに勝負をかけた。しかし(感想戦では)この後の△7五飛を見落としていたとのことで、△7六飛には▲4六歩とじっと守って置く手が有力だったらしい。

(問442-2解答)「駒を投入する受け」
△3五歩と桂を取って良いなら分かりやすいが、▲4三香成と成られるとちょっとうるさい。そこで本譜、△4二銀打と一枚持ち駒を入れたのが手堅い受け。▲4三桂成から攻め込まれても、二枚換えで一枚盤上に残るので心配入らない。△3五歩と桂を取ったり▲4三香成に△同金と取るのは、桂香を手に入れてすぐに相手玉が詰むなら分かりやすいが、そうでない場合は、かえって危険になる。

本譜は、これ以上上部から攻め込めないので、▲7二歩と側面攻撃に移ったが、△3五歩と桂を手に入れての攻めが一手早かった。最後、持ち駒をすべて使うきれいな即詰みとなって後手の郷田九段が優勝を決めた。
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