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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年5月12日出題)

第448問(2014年5月11日 佐々木勇気五段-阿部隆八段戦)
(問448-1)
先手佐々木勇気五段、後手阿部隆八段で戦型は相掛かり戦。長い駒組みが始まるのかと思いきや、いきなり先手が仕掛け、それを最強の応手で反撃した為、一気に終盤戦に突入した。ところがそこから両者の粘りある応手が続き、長い終盤になった。
下図は、今▲2六桂と急所に桂を打った所。このまま銀を取られながら王手で跳ねられてはいけないが、どのように受けたら良いか?ここで後手阿部八段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問448-2)
おそらくは先手が決め手を逃したのかもしれない。後手に粘られ、やや怪しくなってきたところ。今、△2七角と打たれ、次に△4九角成を見られている。ここで指された先手佐々木五段の三手一組の手順は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問448-1解答)「攻め筋を残す受け方」
△3四の銀は取られてはいけないが、逃げ方も難しい。受けだけを言えば△4五銀とこちらにかわすのが最も安全(▲3五飛などがなくなる為)。しかし△4五銀では香の陰になってしまい、△4七香成がなくなってしまう。
という訳で、実戦は△2五銀。やはり将棋は受け続けるだけでは勝てない。受ける時も、常に攻め筋を残しつつ受ける手を選んでいきたい。

(問448-2解答)「金のかわし+早逃げ」
次の三手は、▲3九金△4七と▲6八玉。▲4九の金は取られてはいけないので、形は▲5八金だが、こう上がっても、△4七とを防いでいる訳ではない(△4九飛がある為、かえって後手の攻め足が速くなってしまう可能性もある)。実戦の▲3九金と寄り、△4七とに▲6八玉とここで早逃げした手がうまい手順。さらに、後々の△5七とにも▲7七玉と上がり、先手玉の寄せの形が見えなくなった。

それでも本譜の終盤の攻防はNHK杯ならでは。白熱の終盤戦で、解説を聞く限り何度か逆転していてもおかしくない。ただ、最後は、先手玉が捕まらなくなり、後手玉の入玉が不可能になった段階で、後手の阿部八段の投了となった。
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