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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年6月2日出題)

第451問(2014年6月1日 飯塚七段-塚田九段戦)
(問451-1)
先手飯塚七段、後手塚田九段で戦型は角換わり腰掛け銀。昔からある定跡形から仕掛けたのは先手だが、すぐに後手が反撃、後手の攻め対先手の受けが続いた。そして後手の攻めがひと息ついた瞬間に今▲2四歩△同歩▲同飛と反撃に出たところ。△4四の銀取りであると同時に▲2二歩からの拠点作りも嫌みだ。そこで、ここで指された後手塚田九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問451-2)
先手は△6五の桂を取ったが、代わりに陣形はバラバラだ。そこを突かれ、今△4九銀と金取りに打たれた。この攻めを凌ぎ、▲5五銀まで回れば先手が良くなるが、▲5八の金をタダで取られてはいけない。ここで指された先手飯塚七段の次の三手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問451-1解答)「形にこだわらない受け方」
ここはいろいろな手が考えられる。たとえば△2三歩と打ち、▲4四飛と銀を取らせて△4三金右と飛車を捕獲する手。また、△3三銀と引く手、△4三金右と上がる手など。これらは解説の森下九段が一つ一つ丁寧に話されていたが、プロの第一感はこの△3三金だという。
その解説によれば、△2三歩からの飛車の捕獲は(後手が)無理気味。△3三銀は▲2六飛と引かれ、上部が薄くなり過ぎて支えきれない。△4三金右は、▲2六飛△2三歩なら後手十分だが、△4三金右の瞬間、▲2二歩△同金▲2三歩と拠点を作られ、やはり後手不利。と言うことで、実戦の△3三金となったが、それでも▲2六飛△2四歩に▲7五歩と進み、後手の忙しい局面は続いた。

(問451-2解答)「自然な”玉に寄せる金”」
▲4八金とせかせる手も見えるが、△3七角成から△6七桂と攻められ、やや危険だ。そこで実戦は▲6八金と玉の方に寄せる自然な一着。これには当然△6七歩と叩かれる手が見える訳だが、それにも▲7八金と寄っておいて、依然▲5五銀が残っているだけに後手が忙しい。

本譜は、以下△5八銀不成▲5五銀△5九銀不成▲4四銀と双方我が道を行ったが、△6八で精算した後の局面は、後手が一手足りないのかもしれない。最後は、飯塚七段が後手玉を華麗に詰めて勝利した。
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