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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年6月16日出題)

第453問(2014年6月15日 小林裕士七段-鈴木大介八段戦)
(問453-1)
先手小林七段、後手鈴木八段で戦型は後手の角交換四間飛車。その後、先手が飛車先を切ったのを逆用して向かい飛車に振り直すと、巧みな金銀の繰り替えで陣形をしっかりしたものに組み替えていった。
そして下図。まだ中盤の駒組みの最中だが、先手から手が出なくなることを恐れて▲4七金から▲3六歩と動いた。ここで後手鈴木八段の指した次の一手は?三手一組の手順で先手の金の進出を止めるには?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問453-2)
中盤の長い将棋で、陣形的には後手十分。その後、万全の態勢から攻め掛かると一気に終局近しを思わせたが・・・。
下図は、今△5九飛と打ち下ろし、適当な受けがないように見えるところ。ここで先手小林七段の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問453-1解答)「駒の進出を止める手筋」
何もせず次に▲3五金△2一飛▲3四歩と進められては桂損が確定してしまう。そこで、▲3五金を防ぐ為に一つ△3四飛と寄ったのが手筋の一着。▲3五歩と位は取られるが、再度△2四飛と戻しておいて、▲3五金がなくなるという訳。この位は、急所の位置を先手で取られたのとは違い、大きな位ではない。このように駒を進出させない為の基本的な手筋は、級位者の人にも覚えておいて欲しい手段だ。


(問453-2解答)「攻防の角で耐える」
▲5八の銀は取られてはいけないが、▲6九銀打と受けるのは、△6八歩がピッタリでいけない。また、▲6七銀とかわすのは自然だが、これも△6八角がある。
そこで指された一手が▲4七角。これが悪いながらも最善で粘った攻防の角。ここから局面は思わぬ方向へ進んだ。

本譜は、何か決め手があったのかもしれないが、難しかった。数手進み、▲4八銀とさらにしぶとい受けの一着を放つと形勢は混沌。▲6九飛の好手で逆転し、先手の小林七段が勝利した。
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