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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年7月28日出題)

第459問(2014年7月27日 畠山鎮七段-佐藤慎一四段戦)
(問459-1)
先手畠山七段、後手佐藤四段で戦型は相矢倉。ガップリ四つから駒組み途中の一瞬の隙を突き先手が桂損の攻めを敢行。後手は、先に桂得したものの自分の桂を取り切られる間に仕掛けざるを得なくなり、戦いが始まった。
下図はその途中、今△8六歩に▲同銀と取ったところ。ここで指された後手佐藤七段の次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問459-2)
後手の攻めは細いものの、先手玉も弱く細心の注意が必要なところ。今、△8八歩に▲8五香と反撃、△5二飛の利かしが入った局面。ここで攻めるなら▲4四桂だが、駒を渡すと先手玉も危険だ。ここで指された先手畠山七段の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問459-1解答)「先手を取る逃げ方」
△8六角と切って攻めがつながるなら話は早いがそれは切れそうだ。そこで角は逃げることになるが、逃げる時は、常に先手で逃げられないか考える事になる。ここでは、数手前に△3七桂成▲同銀を入れておいた効果で、△7三角が銀取りの先手になっており、実戦もこのように進んだ。

本譜はこれに、自然な▲4六銀ではなく、銀を切られないように▲2六銀という異筋の逃げ方で後手の攻めを余しに行った。

(問459-2解答)「要の攻め駒を外す」
先手玉は今すぐに寄るわけではない。しかし攻めると駒を渡すことになり、△9六桂や△8八歩は残して置くと、結局これが逆転を誘発する駒になってしまう。
そこで実戦、▲9七歩と桂を外しに行った手が当然とは言え手堅い一着。△8九歩成▲9六歩で多少駒を渡しても先手玉は寄らないようになった。

本譜はそれでも△2五香のB面攻撃から何とかアヤを求めたが、▲4四桂から一枚駒をはがすと、全部の駒を効率良く使う確実な攻めで、後手玉を寄せ切ることに成功した。
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