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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年9月22日出題)

第467問(2014年9月21日 飯塚七段-西川和宏五段戦)
(問467-1)
先手飯塚七段、後手西川五段で戦型は後手三間飛車での相穴熊戦。後手が中央の位を取って先手の角筋を止めたが、四枚穴熊に囲った先手が▲5六歩からさばきに出ると、そのさばきを押さえ込めず先手優勢になった。そして終盤。何とか勝負形に持ち込もうと、龍を切り、△5九龍と王手。今▲7九金と金を引いて受けたところ。ここで指された後手西川五段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問467-2)
大きく駒得し、先手優勢なのは間違いない。しかし、今△4八歩成とと金を作られ、さらに△5七歩から二つ目のと金を作られると、後手玉も固く容易ならざる形勢となる。
ここで指された先手飯塚七段の次の一手は?相手の攻め筋を消す、格言通りの一着と言えば?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問467-1解答)「穴熊戦の勝負術」
ここで後手の指した手は△7一金打と一枚自陣に金を入れる手。駒損している上、持ち駒もそれほどないので、普通こうした時に自陣に駒を入れると切れてしまう。しかし、ここでは4筋5筋に歩の垂らしが利き、遅くなってもと金で攻める手は残っている。そこでまずは自陣強化。駒得して有利な時はもちろん、不利な時でもこのように自陣を強化しておくのは特に穴熊戦では有効な勝負術だ。

ただ、冷静に指されるとやはり駒損は大きい。本譜はその差が容易に縮まらなかった。

(問467-2解答)「馬は自陣に」
ここで▲6六馬と引いた手がピッタリ。△5七歩からの二枚のと金を防ぐと同時に香を取るため一旦働きのない▲1一に動いた馬を引き寄せる味の良い一着だ。

後手は、と金を助ける為、△3二龍から(△5七歩▲同馬の交換を入れ)△3七龍と入ったが、後手の陣形そのものが薄くなり、また馬が厚く攻め筋もないため、この後数手で後手の投了となった。

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