将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2015年1月5日出題)

第481問(2015年1月4日 谷川九段-金井五段戦)
(問481-1)
先手谷川九段、後手金井五段で戦型は角換わり腰掛け銀。後手の”待ち”に、先手が軽く仕掛けて戦いが始まった。
下図は中盤の難所。先手は馬を作っているもののそれほど働いている訳でもなく、お互い攻めるにはまだ駒不足。そこで後手は一旦△3三銀と△4二にいた銀を上がったのに対し、先手は一本▲2四歩と突き捨てた。
ここで先手谷川九段の指した一手は何か?攻めにばかり目が行くところだが、ここでの受けの一着とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問481-2)
もう少しうまい寄せ方があったのかもしれないが、後手が辛抱強く受けて攻めあぐねている。下図は今、筋の▲3五歩を突いた所。ここでの決め手とも言える後手の受け方は何か?もちろん次に▲3四龍から△2四の銀を取られてはいけない。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問481-1解答)「自陣を固めて手渡し」
ここで谷川九段の指した一手は▲6七銀と銀を引いて自陣を固める手。これがうまい手渡しだった。
これに対し、△6五歩から△8六歩〜△8五歩と継ぎ歩で先手陣を乱しにかかったがそれほど効果があったとも言えず、逆に反撃をくって先手の模様が良くなり終盤戦へ突入した。


(問481-2解答)「早逃げで駒の打ち場所を作る」
ここで金井五段の指した一手は△1二玉の早逃げ。これに本譜は▲3四龍だが、一手早く受けていた為、がっちり△2三銀と駒を投入、後手陣は容易に寄らない形となった。

本譜はそこから先手も▲7七金打と自陣に駒を入れて第二戦がスタートするかと思われたが、駒損をした谷川九段が持将棋を目指すことなく投了し、後手の逆転勝ちとなった。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ