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NHK杯に見る受けの手筋

(2015年1月26日出題)

第484問(2015年1月25日 飯塚七段-屋敷九段戦)
(問484-1)
先手飯塚七段、後手屋敷九段で戦型は角換わり。但し、後手の屋敷九段が、カニカニ銀風に早めに銀を繰り出してきた為、手将棋模様となった。そして中盤、後手が馬を作りに行った手がそれほどの成果を上げず、逆に歩をたくさんもらった先手が反撃、やや指しやすそうな局面に。
下図は、その反撃を開始したばかりのところ。今▲5四歩と歩を垂らし、歩を成る手を見せながら、桂が入ると▲5三桂打も狙える。ここで後手屋敷九段の指した一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問484-2)
終盤、▲3四金と言う重厚な攻めに、△2三歩と打ち▲同金とさせたところ。ここで△2三同金は▲同飛成とされ、次の▲2一龍と▲4三龍が同時には受からない。そこで、ここで指された後手の次の一手は何か?攻め合いに行くにはまだ早いのでここは手を稼ぎたいところ。後手屋敷九段の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問484-1解答)「歩は受けない(銀桂交換は甘受)」
攻めるなら△8五桂で、実際これも厳しい攻めではあるが、桂を渡すと反動が厳しすぎる。そこで、この受けの手筋でも取り上げる「歩には歩」で△5二歩と受けるのもあるが、この局面では、初心者以外では褒められない一着だ。と言うのも、あまりにも辛い利かされだから。
ここで指された屋敷九段の一手は△5二金。受けとしては平凡だが、他にもいろいろあるだけに当てるのは難しい一着。様々な手段の中で、これが一番耐久性があると読んだのだろう。しかしここから先手の猛攻が始まった。


(問484-2解答)「押さえの駒を取りながらの早逃げ」
ここでは△5一玉と寄るのが第一感で、実戦でも指された一着。こう寄ると▲6一銀を助ける手はない。▲2二金と金は取られるが、△6一玉で、銀を取りながら、2筋の飛車から逃げることが出来る。

本譜は(△6一玉の後)▲1一金と香を取り、この段階で(先手から見て)角と金二枚の駒得。その香を▲7五に打ち、先手の攻めが続いた。それでも最後、駒を蓄えた後手が、先手玉に肉薄。最後は詰むや詰まざるやの局面になったが、駒が僅かに足りず、先手の飯塚七段の勝利となった。
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