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NHK杯に見る受けの手筋

(2016年3月7日出題)

第539問(2016年3月6日 広瀬八段-村山七段戦)
(問539-1)
先手広瀬八段、後手村山七段で戦型は相矢倉戦。後手の△7三銀に▲4六角△6四角と脇システムのような形で進行し、後手の△8四銀に、▲2五桂と跳ねて戦いが始まった。中盤、後手が馬の捕獲を目指すと、先手は端から攻め掛かり、先手の攻めが、つながるか切れるかという勝負になったかのように見えた。しかし下図、ここで後手の村山七段は、好手順で局面をリードする。後手の指した次の三手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問539-2)
終盤戦、後手優勢ははっきりしている。平凡な△5七馬も駒を取りながらの詰めろなので味良く見えるが、ここで村山七段は受けの手を指した。こちらも三手、受けということであれば後手の指した手順は何か?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問539-1解答)「軽手+二択を迫る角」
問題図の局面で、△3四歩と突いたのが軽手であり好手だった。先手玉を攻めるだけなら、△8五歩や△7五桂、△7六桂〜△8八歩などいろいろ見えるし、受けとして直接的なのは△2四角だが、どれもはっきりしない。しかし、実戦の△3四歩が好手で、▲同飛なら△3三金から先手で受けることが出来る。先手の仕方ない▲2五飛に図の△4九角が続く好打で△5八角成の二枚換えを直接の狙いとしているが、▲7六歩などこちらを受けると、△1六角成と成り返り、今度は先手の攻めを切らしてしまうというもの。

(△4九角はある意味両取りに近いので)本譜は、どちらを指されても仕方ないと▲1四歩と取り込んだが、強く△5八角成から攻め込み、一気に後手優勢へと進んだ。

(問539-2解答)「粘らせない受け」
ここで実戦は△5三銀と上がり、▲3四馬に△3三金打と馬を攻めながら受けた。問題図の局面は、棋風も出るところで、「正解」は一つではないかもしれない。ただ、△7六桂と王手を決めてしまうのは、▲5四馬から桂を取られる手が残るし、単に△5七馬も▲5四馬から▲7六馬と自陣に馬を引かれて粘られるかもしれない。もちろんそれでも後手優勢にかわりはないが、受けに自陣があるからこその△5三銀から△3三金打だったのだろう(金を一枚使い、この瞬間に何か技を掛けられないかどうかしっかり読まなければならないから)。

本譜はこの後、▲1二銀から後手玉に迫ったが、はっきり届かないのを見越して、待望の△7六桂を決行、最後は即詰みもあったが、後手玉に詰めろも掛けさせない状態にして勝利、後手の村山七段が決勝に進出した。

なお、最終盤の局面を修正し「今日の実戦の詰み」を作成したので、そちらもどうぞ。
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