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NHK杯に見る受けの手筋

(2016年10月17日出題)

第570問(2016年10月16日 増田四段-佐藤康光九段戦)
(問570-1)
先手増田四段、後手佐藤九段で戦型は矢倉戦。但し先手が3手目に9筋を突き、定跡からは外れ力戦調に進んだ。そして持久戦になるとその▲9六歩がマイナスになる為、先手が動き戦いは早い段階で始まった。下図はその終盤の入口、今先手が▲4八飛と回り、次に▲7一角の飛車取りと二枚換えを見せたところ。そこで後手はどうするか?▲7一角をまともに打たれてはいけないので、何か受けるしかない。後手佐藤九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問570-2)
終盤、△8八歩の利かしも入っており、後手が少し残しそうにも見える局面。今、先手から急所の▲4四歩を叩かれたところ。矢倉戦では非常に良く出てくる急所の一着。後手から見ると嫌なものだが、このような歩にはどう対応すべきか。後手佐藤九段の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問570-1解答)「大駒は近づけて受けよ」
△4五歩と平凡に受けるのは、▲3五歩から▲7一角がありあっという間に後手敗勢になってしまう。ここでは△4六歩と中合いのように歩を垂らすのが手筋。▲同飛ならそこで△4五歩と先手を取って味良く受けられる。このように、大駒を中合いの歩で近づける手筋は頻繁に現れ、好手になることも多い。まずこうした手筋が頭に浮かぶよう練習しておきたい。

本譜は、七段目の補強に一旦▲5八金と上がったが、これも手筋の△8八歩が入り、後手の方が一手早い感じのまま終盤戦に入った。そして第2問へと続く。


(問570-2解答)「金は引く手に好手あり」
叩かれているので、この格言の意味合いとはやや違うが、それでも実戦では引いて置く方がしっかりしている。△4四同金と歩を払い、▲7一角を打たせて△4二飛と回ったり、両取り逃げるべからずでその瞬間に攻めたりすることもあるが、多くの場合、△4二金引と引いて、▲4三に打ち込まれた瞬間に手抜いて攻め合うことの方が多い。

本譜はそれでも▲4三銀と打ち込むよりなく、以下△3七銀不成▲1八飛△8九歩成で、後手の一手勝ちに見えた。解説でもその通りに話していたのだが、局後の感想ではさらにこの後、先手に有望な変化もあり、上図の局面が本当に後手有利かどうかは短い感想戦では分からなかった。しかしその有望な変化を先手が逃し、結果としては後手佐藤九段の完勝(実際は辛勝かもしれない)、最後は自玉に詰みがないのを見越して先手玉に必死をかけて勝利した。

なお投了図、「先手玉は必死、後手玉は詰まない」という形だったが、持ち駒を変えて詰むように修正したので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。

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