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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年4月9日出題)

第643問(2018年4月8日 増田五段-佐々木慎六段戦)
(問643-1)
一局目は千日手となりこれは指し直し局。先手増田五段、後手佐々木六段で戦型は後手の角道オープン四間飛車。駒組みの途中、先手が玉頭の位を取った手に、後手が4筋から動こうとし、これに先手が2筋の歩を切り戦いが始まった。下図は、先手が端を攻め、▲9五歩に手抜きをされ▲9四歩と取り込んだところ。ここで後手はどのように指し進めたか?△9二歩と受ければ端は大丈夫だが、今度は右から攻められてしまう。ここからの進行5手を問う。
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問643-2)
△5五にいた馬に▲5六銀打と当てた為、△7七馬と銀を取り、▲同玉となったところ。どちらの玉もむき出しになり難しい終盤戦だ。ここで後手の指した手は何か?盤面全体を見て、先手からの攻めを考え、それを受けることになる。後手佐々木六段の指した次の一手は何か?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問643-1解答)「端攻めの顔面受け」
右側で大きく得をしている場合は、△9二歩と受けて置いて何の問題もないが、逆に不利な場合は、収めずに戦線を拡大した方が逆転しやすい。ただそうは言っても実戦△1九角成の手抜きには読みと勇気が必要。本譜の進行は、▲9三歩成に△同香▲同香成△同玉と玉で取ったのが勝負手で、後手は駒得を主張している。

本譜、この手順が功を奏し先手の攻めに大きな効果がなく、後手が余せそうになり第2問へと続いていく。

(問643-2解答)「飛車底の歩」
金底の歩と同じく、飛車底の歩も固い。またここでは先手からの攻めとして▲4四歩が玉から遠いものの打たれると厳しい一着。この△4一歩はそれを防ぎつつ、一段目の龍の利きをさえぎって味の良い受けとなっている。

本譜はこの後、▲8六桂に「桂頭の銀定跡なり」の格言通り△8五銀としっかり守り(△7六香を見た攻防の銀)、後手玉は容易に寄らない形となった。そして最後は先手玉を寄せると言うよりも、後手玉がはっきり寄らない形となり先手の投了、後手佐々木六段が勝利した。

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