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3行のつぶやきに書いた「難解詰将棋」


↑これは画像なので、駒はマウスでは動かせません(^^;

将棋世界の平成15年11月号の付録、「森田銀杏詰将棋傑作選」の最終No.39に載っているもの。

この付録、発売当時、五段のTさんと、最初の10問くらいを、一緒に解き、良い詰将棋が多いね、と言ってはいたものの、それほど時間がかかった訳でもなく、さほど、難しいのはない、と思い、20問くらいやっただけで、その後は、そのままになっていた。

ところが、年末、このTさん、全部解いたらしく、最後のこの問題だけは、是非、私にやってもらいたいと言う。答えを絶対に見ることのない、この人が、解けなくて、「答えを見た」と言うのだ。

なら、挑戦しましょう、と言って、大みそかからずっと考えていたが、容易に解けなかった。

難解詰将棋は、巨大な迷路のようなものだと思う。どちらへ行っても、行き止まり。いったい、どこに突破口があるのか分からない。1月7日の朝、ようやく透明の扉を発見して、出口が見えた時は・・・。

たかだか23手程度の詰将棋に、何日もかかったのは、何年ぶりだろう(最近は、詰将棋自体やってないし(^^;)。

答えは、この下の方に(でも、有段者だったら、見ないで挑戦してみてね)。












ヒントは、曲詰めで、最後の形は、Sになります。

さあ、もう一度、チャレンジ!













では、解答を。


▲6五銀△同と▲5七金△5五玉▲4五飛△同玉▲3六金!△5五玉▲5六香△同と▲7五飛成△6五金▲同龍△同玉▲7五金△5五玉▲5四銀成△同玉▲6四金△5五玉▲6七桂△同と▲4六金右まで23手詰。

初手は、▲6五銀が筋だが、△同と▲6七金△5五玉▲5七飛△5六歩で以下かなり続くが、僅かに届かない。▲5七金は△5五玉▲4五飛△同玉▲4九香と進めて、やっぱり詰みそうもない。

そこで、初手▲5五金も、かなり有力そうで、考えるが(▲5五金△同玉▲5四銀成△同玉▲6三銀不成の筋を見つけた時は、本筋に入ったと思ったのだが)、こちらもぎりぎり詰まない。戻って、▲6五銀をさらに考え直すと言う展開になったが、7手目の▲3六金が、普通じゃ見えない”透明な扉”。上部を押さえている金を捨てる手に気づくまでに、数日を要した。△同玉には、▲3二飛成と成って、香一本で詰む、と言うのが何ともすごい。

これだけの難解作で、しかも詰め上がりは、アルファベットの”S”。

付録の解説に、「曲詰の大家、岡田敏氏が「傑作」と絶賛した作品」とあったが、まさにその通りのすばらしい一品だ。

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