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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年2月6日出題)

第35問(2006年2月5日:山崎NHK杯選手権者-渡辺竜王戦)
(問35-1)
一手損角換わりで右玉の戦法を取った山崎NHK杯選手権者に対し、渡辺竜王は穴熊に組み替え戦機を伺う。そして、中盤、驚愕の仕掛けをした先手に対し、絶妙の返し技で見どころのある難解な終盤戦へ入った。
今、▲5一馬と入った手に対し、穴熊らしくしっかりと△2三銀と埋めたところ。次に△3六歩を打たれてはたまらないのでここは何か受ける一手。どのように受けるべきか。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問35-2)
形勢不明の終盤戦が続き、今△5四馬と王手に引いたところ。後手玉はまだ詰まないのでここは気をつけて受けないと一気につぶされてしまいそうなところだ。
山崎NHK杯選手権者の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問35-1解答)「玉頭は厚く、先手を取って受ける」
歩があれば、▲3六歩△同飛▲2七銀のような手もあるが、あいにく金銀しかない。このような場合、将来飛車がこの筋から外れても△3六歩が残らないように、さらに玉頭は常に手厚く受けておく。
山崎NHK杯選手権者は▲2六金と打ち、△3二飛に▲4一銀とさらに飛車を追いかけて玉頭を緩和し、逆に玉頭へ襲いかかった。


(問35-2解答)「駒を犠牲に手を稼ぐ」
平凡な▲3六歩は△3五桂から寄ってしまう。見ている時は、数手前の△4三銀が絶妙で後手が寄せ切ったと思ったのだが、▲4五香が粘りある一手でそう簡単には終わらなかった。以下△3五桂を決めて3七の金を取ったが、1四の銀も取られ、詰めろ逃れ(そうに見える)詰めろをかけたが実際には後手玉に難解な詰みが生じた。
しかし、自然な手順の中に絶妙の逆王手が存在。その中に飛び込んでしまった為、逆転を許し、上部を厚くし手を渡したものの最後は渡辺竜王に詰められてしまった。

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