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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年7月24日出題)

第58問(2006年7月23日:平藤六段-中川七段戦)
(問58-1)
横歩取り△3三角戦法から△8四飛と引いた後手の中川七段が早い段階で仕掛けた。
その後、難解な中盤戦が続き、中川七段が一本取ってうまく攻め込んだと見えたこの局面。8七の金をそのまま取られてはダメなので何か受ける一手だが、ここで平藤六段は意表の受けを出した。ここでの平藤六段の指した一手とは?そしてこの後、さらに優劣不明のまま終盤戦へと入っていった。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問58-2)
先手の辛抱に対し、後手もと金を払い息の長い将棋になってきたところ。今、▲9五歩と8三の金から馬の筋を外す為馬頭を叩いた。ここで△同馬▲8三飛成△7七馬の攻め合いも考えられるが、それでは負けと見て、中川七段はさらに辛抱する手を選んだ。その一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問58-1解答)「持ち駒を温存し、キズを最小限にとどめる」
ここで平藤六段の指した一手は▲8六飛。金を守るためだけなら当然の一手ではあるが、これだと銀がタダになってしまう為、考えづらい。しかし、以下△7九成桂と銀を取っても、▲4六角が攻めの急所。飛車が逃げた後、香を取り返し、むしろ先手に分のある展開のまま終盤戦へ入った。


(問58-2解答)「先手で飛車の成り込みを防ぐ」
ここで攻め合いは足りないと見て中川七段の指した一手は△8四香。飛車取りを受ければ△9五馬と手を戻し、息の長い戦いを目指そうと言うもの。実戦は以下▲9四歩と馬を取った為、△8九香成▲8四歩△7九飛となりこの手が厳しく後手優勢になり、さらに成香まで使える展開になり後手が勝ち切った。
感想戦でも出ていたが、ここまで辛抱したのなら、▲9四歩と取らないで▲8六歩とさらに辛抱するべきだったとのことで、そう指していればまだまだ長い戦いが続いていた。

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